【プロローグ】新暦65年から94年までの出来事。
【第9章】バルギオラ事変の年のあれこれ。
【第3節】新暦89年の9月以降の出来事。
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、私も困るんだが……体が丸ごと新しくなったんだから、私自身も何か新しいことをしなければ……といった『強迫観念』のようなものが、今も心の奥底にへばりついているんだよ。
いや。こんなことを言っても、『体の大部分を一度に取り換えた経験』が無い人には、ちょっとピンと来ないだろうとは思うんだけど……」
(そんな経験、ノーヴェさん以外の人にはありませんよ……。)
ミウラは、75年当時のチンクについては何も聞かされていなかったので、思わずそう考えてしまいましたが……もしかすると、『体を取り替えた拍子に、気持ちまで切り替わってしまう』というのも、戦闘機人にとっては特に珍しいことではないのかも知れません。
一拍おいて、ノーヴェはさらにこう語りました。
「それと、もうひとつには、見てのとおり、育児の問題がある。トーマもメグミも、ほんの数年前までは『理不尽に不幸な境遇』に置かれていたからな。あの二人には、何とか幸せになってほしいんだよ。ジムの方も、指導員やトレーナーが『現実に足りていない』という訳じゃないんだろう?」
「それは……まあ、そうですが……」
「それから……こういう言い方をすると、ヴィヴィオには嫌がられるかも知れないけど……思い起こせば、12年前の夏、まだ8歳だったヴィヴィオにストライクアーツを教え始めたのが、そもそもの始まりだった。しかし、今になって冷静に考えると、あれは本当に、ただの成り行きであって……少なくとも、あの段階では、何かきちんとした予定や計画があった訳じゃない。そう考えると、私がジムの会長になったこと自体も、ただの成り行きだったんだよなあ」
(いや。それもまた、そうかも知れませんけど……。)
「まあ、そんな訳で、悪いが、その申し出は辞退させてもらうよ」
こうして、リグロマとミウラによる勧誘は不発に終わりました。
すると、まるでそのタイミングを見計らったかのように、サトルが不意に泣き出します。
ミウラとヴィヴィオは『一体何事か』と驚き慌てましたが、ノーヴェは全く平常心のまま、実に手慣れた様子でサトルのオムツを取り換え始めました。
「お前たちも、よく見とけよ〜。そのうち、自分でもやることになるんだからな〜」
ノーヴェはほとんど「嫌がらせ」のような口調で、ミウラとヴィヴィオに笑ってそう言い放ちました。未婚のミウラは「赤子のウンチ」にドン引きですが、既婚のヴィヴィオは身を乗り出して、オムツ交換の様子を詳しく観察します。
その作業が終わって、一息つくと、今度はヴィヴィオがノーヴェにこう問いかけました。
「ところで、話は変わるけど……ノーヴェは、自分では産まないの?」
「私も、そろそろアラサーだからなあ。考えたことが無い訳では無いんだが……」
そう答えながら、ノーヴェは一昨年、ク
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