暁 〜小説投稿サイト〜
魔法戦史リリカルなのはSAGA(サーガ)
【プロローグ】新暦65年から94年までの出来事。
 【第9章】バルギオラ事変の年のあれこれ。
 【第2節】カナタとツバサとフユカとハルナ。
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を保護した後、後始末はすべて、明日には到着する予定の現地陸士隊に任せ、全員で一旦、〈ヴォルフラム〉に帰投しました。
 早速、艦内でジョディアン医師とシャマルにその女児たちを調べてもらいます。

 そして、翌朝、地上の施設から押収したデータも踏まえた上で、シャマルとジョディアンは次のように所見を述べました。
「まず、あの子たちは、基本的には『ルキーテ執務官の改造クローン』ですが、新たに竜族の遺伝子が組み込まれていました。古代ベルカにおける獣人と同じ要領ですが、こちらは余分な染色体が2(つい)もあります。また、あの二人のゲノムは、『おおよそ』一致しており、一部には執務官の夫や他の人物の遺伝子も使われているようです」
「背中の『入れ(ずみ)』のような文様は、ある種の獰猛(どうもう)な小型竜族に似ていますね。あの怪力も、おそらくは、竜族の遺伝子によるものでしょう。そもそも筋肉細胞の構造(つくり)が人類とは少し違っていて、むしろ大型の竜族に近いものになっています」

 今も別室で、その女児たちは自分たちよりも少し大きなアギトやミカゲの体を(魔法なしで!)丸ごと持ち上げ、それをボールのように投げ飛ばして遊んでいました。
 アギトやミカゲも二人に怪我をさせない程度に、彼女たちの体を丸めてそっと投げ返したりしており、「竜の血を引く幼女たち」は、もう大はしゃぎです。
 おそらく、あの施設の中では、彼女らが「自分の意思で自分の体を自由に動かすこと」など全く許されてはいなかったのでしょう。

 シャマル「あの子たちの母語は、何故か最初からミッド語でした。ゆくゆくは、工作員か何かに仕立て上げるつもりだったのかも知れませんね。……それと、普通の家庭で、あんな怪力少女たちを育てるのは、ちょっと無理だろうと思います。ここは、やはり、八神家で引き取った方が良いのではないでしょうか?」
 フェイト「ルキーテの改造クローンなら、自分が、とも思っていたけど……」
 はやて「レティさんから聞いたんやけど、今度、カナタちゃんとツバサちゃんもミッドに戻って来るんやろ? 生身の人間の小児(こども)が、あの子らの相手なんかしたら、ホンマに大怪我するで」

 それを聞いて、フェイトもやむなく、はやてが八神家の方に彼女らを引き取ることを了承しました。

 その後、はやては、その子たちから『名前を付けてほしい』とせがまれました。
 はやてはいろいろと思うところがあって、互いに一卵性双生児のようによく似たその子たちを、「フユカ(冬香)」および「ハルナ(春菜)」と名づけました。
 そして、一行は〈本局〉への帰途に就きましたが、その途中、フェイトは(先に述べたとおり)一足先にパルドネアから即時移動で独りミッドに戻りました。
 今回の事件に関する報告書は、すでに〈上層部〉に提
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