【プロローグ】新暦65年から94年までの出来事。
【第9章】バルギオラ事変の年のあれこれ。
【第2節】カナタとツバサとフユカとハルナ。
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「まあ、たまにはええんと違いますか?」
はやては、笑って親友からの要請を受け入れ、医療部からジョディアン医師(24歳)を呼び出しました。外見的には、「研究者」と言うよりも「格闘家」に見えてしまいそうな顔立ちの、随分と大柄で筋肉質な赤毛の女性です。
はやては速やかに彼女を〈ヴォルフラム〉に乗せ、あたかも〈上層部〉の小言から逃げ出すかのように、また八神家フルメンバーで〈管20ザウクァロス〉へと向かったのでした。
〈本局〉からザウクァロスまでは、ミッドとパルドネアを経由して200ローデあまり。125%の速度でブッ飛ばしても、丸24時間はかかる道程です。
翌日、〈ヴォルフラム〉が惑星周回軌道に入ると、はやてはまず転送でフェイトとシャーリーを艦内に収容し、詳しい話を聞きました。
「今さらだけど、私はここしばらく、6年前に『妊娠中のまま』行方不明になったルキーテ執務官の件を追っていたの。それで、今回ようやく、すべてはこの宗教結社〈竜人教団〉の仕業だったと解ったのよ」
他の用途には使われないような「特殊な医療器具」の物流は、巧みに偽装されていましたが、フェイトは、決して相手には気づかれないよう、慎重にその流れを追いかけて、ついにその最終的な行き先を突き止めました。
そして、広大な中央大陸(ザウクァロスでは人間が住む唯一の大陸)の南方に浮かぶ、名目上は丸ごと某企業の所有地となっている洋上の孤島「ギャバウディス島」に、その企業の福利厚生施設を装った違法な研究施設を発見したのです。
もし生きているのなら、ルキーテは今もそこに囚われているはずでした。
「それにしても、わざわざ八神家が動くほどの案件ではないんだけど」
「ええやんか。一昨年には、私らがおらんうちに、ドナリムでも過剰戦力で一気にいてもうたんやろ? 今回もそれで行こうや」
そんな雑な会話の後、今回もまた(フェイトと八神家全員に加えて)ブラウロニアも実行部隊に加わることになりました。艦のことは艦長とルキノ操舵長に任せて、軌道上からギャバウディス島の上空へ10名全員を一度に転送します。
一同は上空から降下しつつ、違法宗教結社〈竜人教団〉の研究施設を強襲しました。一気に突入して抵抗はすべて排除し、証拠品などを次々に押収しながら奥へ奥へと進んで行きます。
しかし、もはや抵抗も不可能と覚ると、組織の研究者たちは、全員が即座に毒薬で自害してしまいました。
いかにも宗教的で、狂信的な行動原理です。
そして、誠に残念ながら、やがて、ルキーテ執務官と夫ヴァニグーロとその子供(胎児のまま)の死亡が確認されました。
一行は、その施設で造られた「四体の素体」のうち、生き残っていた二体(ともに5歳児相当の女児)
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