【プロローグ】新暦65年から94年までの出来事。
【第9章】バルギオラ事変の年のあれこれ。
【第1節】新暦89年、8月までの出来事。
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身分証」と「眼鏡」と「全自動翻訳機の上位機種」をティアナに手渡しました。
なお、管理世界の技術では通常の近視は普通に治療できるので、当然ながら、この眼鏡も視力を矯正するための装置ではありません。
身分証に書かれた文字はすべて現地のサウティ文字で、そのままでは、ティアナには読めませんでしたが、微妙に色がついたその眼鏡をかけて見ると、レンズの内側にそれらの文字列の読み方と意味が自動的に表示されます。
(もちろん、それらの表示は外側からは見えません。)
「私の偽名は……ヴィズナッディ・ロウガメルヴェ、ですか?」
「うむ。サウティでは、さほど珍しくもない名前だ。なお、現地での略称は前の方を略して、ナッディになるので、注意するように。それと、こちらが補佐官の分だ」
ルアドロはそう言って、もう一組の「身分証と眼鏡と翻訳機」を渡しました。
「もちろん、君が捜査を進めた上で、増援が必要と判断した時には、迷わず連絡してくれ。こちらにも、古代遺物管理部の機動課から人員を送る用意がある」
その言質を取ってから、ティアナはまたウェンディとともに、今度はサウティへと向かったのでした。
サウティは、『次元世界大戦以前の、先史時代の遺跡が今も数多く眠る』という、良く言えば、歴史ロマンに溢れた世界であり、悪く言えば、『今でも時おり「未確認のロストロギア」がいきなり出土することがある』という物騒な世界です。
前回のゼヴァルドゥよりもさらに南方にある世界で、もちろん、〈本局〉やミッドと一等航路ではつながっていません。
ティアナとウェンディは、まず即時移動でシガルディスまで飛び、そこからは民間の次元航行船に乗って、およそ12時間でゲルドラングに到着しました。クラナガンとは9時間もの時差がある古都ゼブロムニスの転送施設から、さらに即時移動でサウティ〈中央大陸〉の首都地上本部へと飛びます。
そこで、『すでに話がついている』ことを確認してから、二人は〈西の大陸〉へと赴き、捜査官が殺害された現場の都市に入ると、早速そこで捜査を開始しました。現地の首都との時差は6時間。クラナガンを基準にすると、15時間(逆向きに9時間)もの時差があります。
ティアナとウェンディは最初から別行動を取り、まず時差ボケを直してから、それぞれに地道な聞き込みを始めたのですが……四か月あまり後には、やはり増援の派遣を要請せざるを得ない状況となりました。
そして、8月の上旬、ティアナは〈本局〉から来た機動三課の人員を、持ち前の「指揮スキル」で巧みに動かして敵の根拠地「暗黒城」を攻略し、新たなロストロギアも無事に確保させた上で、最終的には、またもや「力ずく」で(巨大なブレイカーの一撃で)これを解決しました。
そのため、この
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