【プロローグ】新暦65年から94年までの出来事。
【第9章】バルギオラ事変の年のあれこれ。
【第1節】新暦89年、8月までの出来事。
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は、一人娘のロデリアも「6歳児の集団検診」で、自分以上の魔力の持ち主だと判明し、マギエスラはもう大喜びです。
しかし、この時、彼女はまだ自分の家庭に「重大な危機」が迫っていることに少しも気づいてはいなかったのでした。
一方、ティアナは昨88年の11月から、新たな案件で遠く〈第33管理世界ゼヴァルドゥ〉に来ていたのですが、実際に捜査を進めてみると、割と単純な事件のように見えたので、ティアナはその月のうちに『これなら、この事件はいくら遅くても1月中には片がつくだろう』と判断しました。
それで、12月になって、スバルの方から『来年の2月には、家族で父さんの「還暦のお祝い」をする予定なんだけど、ウェンディは来られそう?』とメールがあった時にも、ティアナは『うん。大丈夫だよ』と軽く返してしまったのですが……年明け早々には意外なトラブルが発生して事件は予想外に長引いてしまい、結果としては、ティアナもウェンディも3月の上旬まで現地に釘づけにされてしまいました。
そして、事件がすべて終わった後、ティアナはウェンディとともに、ようやくミッドへの帰途に就きました。
ただし、ゼヴァルドゥからは一等航路がミッド方面に伸びておらず、即時移動で帰ることができないため、二人は行きと同じように帰りも次元航行船に乗り、まずはヴェトルーザに(一等航路でミッドにつながっている諸世界の中では、ゼヴァルドゥから最も近い世界に)向かいました。
ただし、近いとは言っても、その距離はおよそ100ローデにも達しており、普通の民間船の速度では20時間もかかる道程です。
ティアナは船内で「ウェンディを予定どおりに祝いの席に出席させてあげられなかったこと」について、ゲンヤに一言、詫びを入れておこうなどと考えながら、やがて眠りに落ちました。
しかし、翌日、ヴェトルーザから即時移動でミッドに戻ってみると、幸いにも、はやてが『明日は師匠の昇進を祝いにナカジマ家へ行く予定だ』と言うので、ティアナもそれに便乗させてもらうことにしました。
そうして、ナカジマ家でゲンヤに詫びを入れ、トーマも交えて「楽しい酒盛りの一夜」を過ごした後、ティアナはようやく「少しまとまった休暇」を取ることができたのですが……それも、またほんの十日ほどで唐突に打ち切られてしまいました。
3月の後半には、また早速、上層部から「直々の指名」を受けてしまったのです。
外回りの執務官は、10年以上も続ければもう「ベテラン」という扱いになり、上層部に申請すれば、〈本局〉の内部に自分専用のオフィスを構えたり、次元港に自分専用の小型艇を持ったりすることもできるようになります。
ティアナ(30歳)も執務官になって今年の春で満12年。周囲からはも
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