第131話『来訪者』
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良くなったようだ。もはや晴登よりも馴染んでいる気すらする。この差って何だろう。
「さて、この客足を途絶えさせないよう午後も頑張らないとな」
「ハードル高いな〜」
「頼んだよ二人とも。目指せ最優秀賞、だっけ?」
大地と莉奈にそう声をかけると、二人とも苦い顔をする。初動が肝心とは言ったが、ハードルを上げすぎてしまったらしい。晴登だってプレッシャーをかけられたのだから、やり返しても文句は言えないだろう。
「じゃあ俺達は着替えて来ようかな。行こ、結月」
「はーい。じゃあまたねみんな」
午前のシフトはこれで終わりなので、窮屈な女装を脱ぐために更衣室に向かった。
*
「ふ〜疲れた疲れた」
「お疲れ様、晴登君」
「狐太郎君もね。大丈夫だった?」
「うん。接客にも少し慣れてきたよ。明日はもっと頑張れそう」
「それは良かった」
ようやく女装から解放され、羽を伸ばすように大きく伸びをして、晴登と狐太郎は更衣室から出る。
「ハルト〜早く行こ〜!」
「結月が呼んでるから行くね。ごめんね、一緒に回れなくて」
「ううん、僕なんかが晴登君の邪魔しちゃいけないからね。それに、お父さん達に会う時間が欲しいから」
「うん、それがいいね」
狐太郎の半年ぶりの両親との再会は中途半端に終わってしまったので、今からその続きをしに行くようだ。晴登としては、再び両親に向き合ってあげようとする彼の決意と優しさがとても好ましい。手を振って、狐太郎とは別れる。
結月と合流すると、隣には優菜と刻がいた。
「おまたせ。あれ、智乃達は?」
「智乃ちゃんは晴登君の女装姿を堪能したようで、お友達を連れてどこかへ行ってしまいましたよ」
「あんまり嬉しくない報告ありがとう。3人だけで大丈夫かな? 迷子にならなきゃいいけど」
「私達が会った時も既に3人で行動していたので、大丈夫だと思いますよ」
「そっか」
智乃は強かな性格だが、人も多くて知らない場所となると、兄として心配にもなる。だが優菜の言葉を聞いて少し安心した。
「えっとそれじゃあどうする? 今度はこの4人で回る?」
「いえ、私達は2人で回って来ますから、そちらも2人で楽しんで来てください」
「そう? じゃあお言葉に甘えて──」
そうなると、これは結月とのいわゆる文化祭デートということになる。初めての文化祭なのにそんな贅沢して良いのだろうか。
「え、ユウナとトキは一緒に来ないの? 4人で行こうよ!」
「でも……」
「うちらがいたら、お二人の邪魔になりませんかね?」
しかし夏祭りの時と同じように、結
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