第131話『来訪者』
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頃、シフトの交代がてら大地と莉奈が顔を出してきた。
「よく似合ってますよ、結月ちゃん」
「完成度高いですね〜」
「ユウナ! トキ!」
他にも優菜と刻が一緒だった。大地と莉奈は2組の劇を観に行くと言っていたから、その後合流したのだろう。
「4名様ですか?」
「そうそう! 何なら後ろに──」
結月に応じる莉奈の後ろには、見慣れた3人組がいた。
「来たよ、結月お姉ちゃん!」
「チノまで! いらっしゃいませ!」
「「こんにちは〜」」
「3名様ですね、どうぞ!」
智乃率いる3人組は夏祭りの時と同じ3人組だ。晴登から3人分の招待状を貰ってやって来たのだった。日城中の文化祭にはこうして小学生が訪れることは珍しくないそうで、今日も既に何人も見かけている。
「三浦君、あれ莉奈ちゃん達じゃない?」
「え? あ、ホントだ。大地と優奈ちゃん、あと天野さんもいて──智乃もいる!?」
厨房では、晴登も智乃の存在に気づいた。いつか来るだろうとは思っていたが、まさか大地達と一緒にいたとは。
「智乃ってあの小さい子? どんな関係?」
「妹です」
「あ〜噂の。確かに可愛いね〜」
「噂……? 俺何か言いましたっけ?」
「いやいや、結月ちゃんからよく聞いてたのよ。可愛い義妹ができたって」
「義妹って……まぁ間違ってはないのか」
「……もしかして既に結婚してる?」
「は……? い、いや、違う! 決してそう意味では!」
知らぬ間に結月が誇張した噂を流していたせいで、晴登が被害を受けてしまう。でも誇張と言っても、いつか本当になるかもしれないことを考えると嘘という訳ではないのだからタチが悪い。
「あ、お兄ちゃんいた! おーい!」
「やべ、見つかった」
「手振り返してあげないの?」
「妹にこんな姿見られたくなかったよ……」
笑顔で手を振る智乃に、晴登は顔を背けて応える。どうせなら晴登がいない時に来て欲しかったものだ。もっとも、シフトは全て把握されているのだが。
「なんかお兄ちゃん、隣にいる女子と親しげに話してない?」
「うわ出た過保護妹。あれぐらい普通でしょ」
「お兄さんはもう彼女いるくらいなんだから、もうコミュ障じゃないんじゃないの?」
「そんな! お兄ちゃんが遠い人に……!」
一方、智乃は智乃で兄のコミュ力を目の当たりにしてショックを受けていた。ちょっと前まで莉奈以外の女子と話す時はおどおどしていたというのに、環境はこうも人を変えるのか。早く中学生になりたい。
「三浦君、もうすぐ午前は終わりだよね? だからお客さんストップさせた方がいいか
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