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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
AXZ編
第185話:崩壊の序曲
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は深くなっていった。まるで待ち望んだ時が来るのを待っているかのように。

 何かがマズイ。そう察したサンジェルマンは、ティキの破壊をカリオストロ達に任せて自分は颯人の援護に向かおうとした。

「2人共、ティキの事は任せるわ。私は彼の所へ――」

 サンジェルマンが颯人の援護に向かおうとしていた頃、颯人はアダムと激しい戦いを繰り広げていた。

「オォォォッ!」

 颯人が振るうウィザーソードガンは、指輪を翳していないにも拘らず”それぞれの属性の斬撃を放ち”地面を抉っていく。ただの攻撃でそれなのだから、それぞれの属性特有の魔法を使えば威力はそんなものでは済まなかった。

「消し飛びたまえよッ!」
「そっちがな!」
〈チョーイイネッ! スぺシャル、サイコーッ!〉

 フレイムドラゴンのブレスが放たれれば、その一撃は太陽のフレアを思わせる程の劫火となりアダムの錬金術を逆に焼き尽くす。ウォータードラゴンの冷気は一瞬で境内を氷河期に変えるだけに留まらず、障害物を原子レベルで氷結させ分解した。ハリケーンドラゴンの雷は大気を焼くだけに留まらず、発生したマイクロウェーブが周辺の水分を一瞬で沸騰させ、反撃にと放たれたアダムの錬金術をランドドラゴンは傷一つなく受け止めた。

 明らかな異常、普段颯人が発揮するのを遥かに超えた威力の魔法により、社殿も最早形を保つ事が出来ずとっくの昔に崩れ落ちていた。

 それほどの威力の魔法を放っているにも拘らず、颯人は内側からどんどんと力が湧いてくるのを感じていた。

――何だ? 力が、滾って来る……! まるで奏の歌に熱狂してる時みたいな、この感覚は……!――

 自身でも理解できない異変に、しかしこれは好機と颯人は更にアダムへの攻撃を強めた。何が何だか分からないが、力が湧いてくるのならそれを使ってアダムを打ち倒す。

 そう意気込む颯人を、アダムは嘲笑を隠す事無く見ていた。

「良いぞ……もっとだ。もっと力を使え。それが己を破滅へと導く事に、気付かぬままにね……!」

 アダムが見ている前で、颯人は勝負を掛けようとドラゴタイマーをハンドオーサーに翳した。

「これで決めてやるッ!」
〈オールドラゴン、プリーズ〉

 己の内に眠るドラゴンの魔力の全てを結集させた姿となって、アダムとの戦いに決着を付けようとする颯人。それを見てアダムは会心の笑みを浮かべ、何かを察したサンジェルマンは慌てて颯人を止めようとした。

「待って颯人君ッ! ダメぇッ!?」

 サンジェルマンが止めるもその声が届くより早くに颯人はオールドラゴンへと至った。全てのドラゴンの力をその身に宿した颯人は、直後内側から砕けるように変身が解除されてしまった。

「う、ぁ…………え?」

 突然の事に何が
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