暁～小説投稿ｻｲﾄ～:魔法絶唱シンフォギア・ウィザード　～歌と魔法が起こす奇跡～第185話：崩壊の序曲

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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード　～歌と魔法が起こす奇跡～

AXZ編
第185話：崩壊の序曲
[4/7]

いした。

「ハッ！」
「シッ！」

　タイミングをズラしての蹴りを、アダムは軽快なステップで巧みに回避。隙が出来たカリオストロを逆に蹴り飛ばし、颯人には至近距離からの錬金術をお見舞いした。風の錬金術を用いての手刀は驚異的な切断力を誇り、迫る手刀の余波が地面を熱したナイフを入れたバターの様に容易く抉れた。

「んのっ！？」
〈キャモナッ！　スラッシュ、シェイクハンズッ！　ハリケーンッ！〉

　迫る風の斬撃を、颯人は同じく風属性のスラッシュストライクで受け止めた。魔法と錬金術、二つの術式による暴風の斬撃がぶつかり合い、周囲に台風の時の様な風が吹き荒れる。その風に煽られ、アダムに蹴り飛ばされたカリオストロが大きく後ろに飛ばされた。

「ちょ、わぁぁぁぁっ！？」
「カリオストロッ！」
「チッ、どっちも加減を知らないワケかッ！」

　サンジェルマンが飛ばされたカリオストロに手を伸ばしている間に、プレラーティは錬金術で激流を生み出しそれでアダムを押し流そうと画策した。今アダムは颯人を相手に夢中になっている。狙うなら今だ。

「小僧ッ！」
「ッ！　よっと！」
「むっ！？」

　激流を生み出す直前、プレラーティは颯人に警告を発した。彼の名を呼ぶだけの短い警告に、しかし颯人はそれだけで何かが来ることを察してアダムから距離を取る。突然自分から離れた颯人に、アダムは一瞬そちらの方に気を取られ迫る激流に気付くのが遅れた。

　忽ち押し流され姿を消したアダムに、プレラーティが勝ち誇った笑みを浮かべようとした。だが次の瞬間、彼を押し流した筈の激流が凍り付き砕け散ると同時に飛び出したアダムがプレラーティに向け帽子を投擲してきた。

「等しいね、児戯にッ！」
「なっ！？」
「プレラーティッ！？」

　まさかアダムの錬金術がここまでとは思ってもみなかったプレラーティは、迫る帽子の鍔を咄嗟にスペルキャスターで弾こうとする。が、大型の彼女の武器では迎撃が間に合わない。このままでは膾切りにされると危惧したその時、横合いから放たれたサンジェルマンの銃弾がアダムの帽子を弾き軌道を変えた。

「プレラーティ、大丈夫？」
「あ、あぁ……すまないサンジェルマン。しかし……」
「えぇ……まさか局長の力が、ここまでだったとはね」

　2人が戦慄する前で、アダムは戻ってきた帽子をキャッチし優雅に被り直す。そして2人を挑発する様に笑いながら見やりつつ、周囲に視線を向け離れた筈の颯人の姿を探した。

　が、気付けば彼の姿が何処にも見当たらない。途端に険しい表情になり周囲に油断なく視線を向けていると、背後から吹き飛ばされた筈のカリオストロが飛び掛かって来た。

「あーしをお探しかしらッ！」
「違うんだよな、残念ながらッ！」

　完全

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