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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
AXZ編
第185話:崩壊の序曲
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まる訳にはいかないと何度も拳を叩きつけようと殴りつける。

「このぉぉぉっ!」
「カリオストロ、離れてッ!?」
「えっ?」
「くそっ!?」

 突如として下から飛んできたサンジェルマンの警告。その意味が分からず一瞬キョトンとするカリオストロを、ハリケーンドラゴンにスタイルチェンジした颯人が無理矢理引っ張って地面に下ろした。

「あっ! ちょ、何を……!」

 いきなりアダムから引き剥がして何をするつもりなのかと文句を言おうとしたカリオストロであったが、その直後鍔が燃え盛る帽子が先程までカリオストロが背中を向けていた方から飛んできてアダムの手の中に納まった。先程弾かれた帽子が、大きく迂回する様な軌道を描いて戻って来たのだ。アダムへの攻撃に夢中になっていたカリオストロはそれに気付かなかった。

 間一髪で命拾いした事に気付かされたカリオストロは、額から流れる冷や汗を拭う事も忘れていた。

「あ、あっぶな……」
「調子に乗り過ぎなワケダ。そんなんだから真っ先に捕まるワケダぞ」
「う、五月蠅いわねッ! あのロクデナシがあんなに戦えるとは思わなかったんだもん、しょうがないじゃないッ!」
「その認識は今すぐ消し去るべきね。どうやらあの男、今の今まで爪を隠してきたらしい」

 純粋な錬金術だけならば、まぁ今までも評価しなくはなかった。何だかんだで彼はパヴァリア光明結社の統制局長。組織の長である男が、束ねるべき錬金術師達よりも錬金術で劣るなどある訳がない。
 だが実戦となれば話は別だとこれまで思っていた。本気で自分達が戦えば、普段部下を顎で使ってばかりで自分は後ろでふんぞり返っている彼が敵う筈がないと思っていた。その認識を覆されて、カリオストロは改めてこれが厳しい戦いになる事を予感した。

「確かに、あーしがちょっと甘かったみたいね。癪だけど、ここはこの坊やの力も借りて上げようかしら」
「そいつはどうも。で、全員であの人形を狙うって事でいいのかい?」

 颯人が指さすのは未だ空中に留まり続けているティキ。この4人で掛かっているにも拘らず先程のクリスとマリアを吹き飛ばした攻撃をしてこない所を見るに、まだあまり自由に動かす事は出来ないのだろう。それを見てサンジェルマンも頷いた。

「器を砕けば、神の力は完成しない。皆、行くわよッ!」

 サンジェルマンの言葉に颯人達が頷く。それを見て、アダムはゆっくりと地面に降り立った。

「思い上がったか……どうにかできると。4人でならッ!」
「思い上がったのは、さてどっちかなッ!」
「自分から降りてきてくれるとはねッ!」

 空中に留まられていては責め辛かったが、地上に降りて来てくれればこっちのもの。颯人とカリオストロが同時に攻撃を仕掛け、左右からの蹴りをアダムにお見舞
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