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神々の塔
第五十話 眠りと死その十一

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「人だけでなくだ」
「生きものもそうで」
「植物もだ」
「同じですね」
「そうだ、だからだ」
 そうしたものだからだというのだ。
「誰もが平等にだ」
「死にますか」
「眠りな」
 ヒュプノスも言ってきた。
「植物も眠るな」
「そうですね」
 綾乃はヒュプノスのその言葉に頷いた。
「その実は」
「だからだ」
「命あるのなら」
「死んでだ」
 そしてというのだ。
「眠るのだからな」
「そやからですね」
「眠るべき時はな」
「眠ることですね」
「安心してな」
「眠るとええですね」
「そうするのだ」
 ヒュプノスは最後は微笑んで話した、そうしてだった。
 一行を先に行かせることを約束した、一行はそれを受けると一旦宿屋に戻って身体を清め宴を楽しんでだった。
 眠りに入ることになった、だがここでだ。
 綾乃はシェリルと共に部屋に入ったがそこでシェリルに言われた。
「綾乃ちゃんの寝間着は起きた世界でも着物かいな」
「お家ではパジャマやで」
 パジャマ姿のシェリルに話した。
「それで寝てるで」
「そうなんか」
「こっちの世界ではいつも着物やけど」
 桃色の旅館の浴衣の様なそれを着ている状態で話した。
「起きた世界ではそやね」
「パジャマかいな」
「シェリルちゃんと同じやで」
「私はこっちの世界でもパジャマや」
 シェリルは紫のパジャマ姿で答えた。
「そうしてるわ」
「そやねんね」
「寝る時の服装も人それぞれやな」
「うちは寝る時はあったかくしたいから」
 それでとだ、綾乃は話した。
「ちゃんと服を着てるで」
「裸はないか」
「下着姿とかネグリジェとか」
 綾乃はそうした寝間着の話もした。
「あと上はブラウスで下は下着だけとか」
「大人の恰好やな」
「そういうのは冷えるから」
 だからだというのだ。
「せえへんで」
「夏でもかいな」
「夏でもちゃんと服を着てるで」
「そうしてるんやな」
「そやで、それで今夜も」
 今からもというのだ。
「ちゃんとやで」
「浴衣着てやな」
「寝るで」
「そうするか」
「そうするで」
「そうするか、ほな今からな」
「寝ような」
 シェリルに笑顔で話した、そしてそれぞれのベッドに入ってだった。
 二人は眠りに入った、それは男組も同じだった、彼等は眠りに入り英気を養い次の戦に向かうのだった。


第五十話   完


                   2023・11・15
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