第五十話 眠りと死その八
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「倒せへんかったわ」
「そうでしたか」
「そや、それで倒したから」
「お金を置かせてもらいます」
自分達が持っているそれをというのだ。
「これより」
「それでは」
「では我々はこれで退きます」
ゴブリンの兵は礼儀正しく告げた。
「これからのご健闘を祈ります」
「ほなな」
「そしてです」
それでというのだった。
「希望はです」
「希望か」
「それは何があってもです」
絶対にというのだ。
「あります」
「ギリシア神話にある通りか」
「はい」
まさにというのだ。
「その通りです」
「そやからか」
「進んでいって下さい」
「それで神霊さん達にもやな」
「向かって行って下さい」
「そうさせてもらうな」
「はい、それでは」
兵達は笑顔で告げてだった。
そのうえで去った、一行はさらに進み遂に神霊達の前まで来た。するとまずはタナトスが言ってきた。
「私は死を司るがな」
「そやけどですね」
「死んでもそれが運命であるなら終わりではなく」
「この世界やと」
「そしてこの塔ではだ」
こう芥川に話した。
「幾ら死んでもだ」
「復活出来ますね」
「だから安心しろ、しかしだ」
「死ぬとですね」
「痛い」
「身体にも心にもかなりのダメージを受けて」
「そうなることはだ」
「わかっておくことですね」
「そうだ」
まさにというのだ。
「いいな」
「はい、そのことは」
芥川もそれではと答えた。
「肝に銘じておきます」
「死ぬのは一瞬だが」
そうであってもというのだ。
「その時の痛みはだ」
「かなりのものですか」
「それこそ二度と死にたくない」
「そう思う位ですか」
「さもないとだ」
タナトスは芥皮にむっとした顔になって話した。
「それこそ何度もだ」
「死のうとする奴が出ますね」
「そうなるからな」
「死ぬ時には激痛が襲いますか」
「だから死なないことだ」
出来る限りというのだ。
「気をつける様にな」
「そうします」
芥川も頷いて答えた。
「ほな」
「そういうことでな、ではな」
「これよりですね」
「戦おう」
こう言ってだった。
まずはタナトスが戦った、死を司る神らしくその攻撃は一撃で屠らんとするものが多かった。だが。
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