第五十話 眠りと死その七
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「古事記ではこう、日本書紀ではそうって」
「受け入れてやな」
「頭に入れることやで」
「そやねんな」
「まあ小碓命さんは」
彼はというと。
「起きた世界でもこの世界でも神社あるし」
「美濃今の起きた世界やと岐阜県やな」
「実際は殺されてへんで」
実の弟にというのだ。
「小碓命さんが言われる通りに」
「当時辺境やった美濃に入って」
「そこを護ってたんやろね」
「そういうことやな」
「皇室の方として」
どうも次男であられたらしい、即ち倭建命は三男となられる。それ故に各地に派遣されたのであおるか。
「それで」
「そうやねんな」
「まあ古事記はこうで」
「日本書記はああで」
「そうして両論併記で」
「覚えていくことやな」
「どっちがどっちでなくて」
片方だけが正しいと思わずにというのだ。
「理解していくことやね」
「そういうことやな」
「うちはそうしてるで」
「綾乃ちゃんはそうなんやな」
「ほんまにね」
綾乃は中里に穏やかな声で話した、ギリさの森を再現した迷宮の中でそうした話もしつつ進んでいってだった。
モンスターや神霊の兵達も倒した、その中に冥界の者達もいてだった。
リーは冷静にだ、こう述べた。
「次のギリシアの神々には冥界の神々もおられる」
「ハーデスさんに仕えるな」
芥川が応えた。
「その方々もおられるな」
「死の神タナトスに眠りの神ヒュプノス」
「そやな」
「はい、そうです」
その冥界の兵の一人が言って来た。
「我々はタナトス様にお仕えしています」
「そうなんか」
「それで試練としてです」
ゴブリンの兵だった、その彼が言うのだ。
「貴方達にです」
「攻撃を仕掛けようとしたか」
「そうでした、ですが」
リーに対して答えた。
「その前に」
「私の術でやったな」
「倒されました、動きを察されましたか」
「それでな」
彼等が自分達に攻撃を浴びせる前にというのだ。
「そうした」
「雪女を召喚された」
召喚の術の中にあるそれをというのだ。
「そうでしたね」
「ああ、しかし並のモンやとな」
どうなるかとだ、リーはゴブリンの兵に話した。
「気付かずにな」
「我々の奇襲で、ですね」
「倒されてたわ」
ギリシアのファランクスの恰好をしたゴブリンの兵と彼と共にいる様々な種族の彼等を見つつ話した。
「そうなってたわ」
「そうでしたか」
「私等でないとな」
それこそというのだ。
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