第百十話 下着の素材その九
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「北朝鮮製の下着なんてね」
「着けたくないわね」
「どんな酷いものか」
「着られればいいとか」
「それもずっとね」
それこそというのだ。
「ソ連でそんなに持ってなかったのよ」
「超大国って言われてて」
「どう見ても生活北朝鮮よりずっとましだったけれど」
それでもというのだ。
「下着は少なかったのよ」
「人が持ってるそれは」
「アメリカのスラム街の下着見てね」
干されているその数をだ。
「驚いてたから」
「それを見たら」
「ソ連は最後酷かったけれど」
物資不足に悩んでいた、ソ連末期テレビでは連日連夜その惨状が日本でも報道されていたのである。
「あるところにはあったし」
「北朝鮮よりましね」
「北朝鮮は軍隊にすらなくて」
先軍政治と呼ばれ食料も真っ先に回される筈がだ。
「大変なのよ」
「ソ連よりずっと酷いわね」
「だから下着の数なんて」
北朝鮮の人民一人一人が持っているそれはというのだ。
「どんなものか」
「想像するだけで怖いわね」
「毎日同じものを着けるとか」
「あるわね」
二人で話した、そしてだった。
ここでだ、一華は留奈にこうも言った。
「下着のことでも北朝鮮に生まれなくてよかったわね」
「そうよね」
留奈も完全に同意だった。
「あそこはね」
「最悪よね」
「生まれた国は選べなくても」
「あそこに生まれたら」
それこそとだ、一華は話した。
「それでね」
「終わりよね」
「もうね」
「あそことか」
北朝鮮等とだ、留奈も言った。
「戦争がある国にはね」
「生まれたくないわね」
「北朝鮮は戦争がなくても」
そうであってもというのだ。
「食べものなくて究極の独裁政治だし」
「言論弾圧もえげつない」
「ネットもないし」
そうしたもの以前の問題である、留奈はこうも言った。
「パソコンもね」
「ないわね」
「あってもね」
「ごく一部の人達よね」
「あそこ階級社会よ」
革命に対してどうであったか、血筋から見て定めている。このことからもこの国が共産主義国家ではないことが明らかである。
「共産主義でもね」
「階級ない筈の共産主義でね」
一華もこう言った。
「階級あって」
「それでね」
「ごく一部の人達しかね」
「いい暮らし出来なくて」
「ご飯も満足に食べられなくて」
「そんな国だから」
留奈はそれ故にと言い切った。
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