第八幕その三
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「お昼もね」
「期待してくれるのね」
「是非ね」
「さてさて、音楽を聴くとなると」
ドウ一世は今にも踊りそうな調子です。
「思わず踊りたくなるね」
「全くですね」
「そうですよね」
チックとバラはもう踊っています。
「自然と」
「そうなりますね」
「ミュージッカーさんやつぎはぎ娘さんみたいにね」
「はい、聴き終わったらです」
「皆で踊りましょう」
「クラシックだと演奏中に踊ることはマナー違反だけれど」
お人形の女王はそれでもと言いました。
「終わって会場を後にしたらいいわね」
「舞台も観られるし」
キャンディマンはこのことについても言います。
「実に楽しそうだね」
「今日もね」
「全くですよ」
キャンディマンはお人形の女王にも応えました。
「本当に」
「ドロシー王女はあの時まだカンサスの人で」
「私達も後でお会いしたけれど」
バド王とフラウ王女はドロシーにはじめて会った時のことを思い出しながらそのうえでお話します。
「今とはまたね」
「雰囲気が違うのよね」
「私は私でしょ」
ドロシーはお二人の言葉に首を傾げさせました。
「変わらないわよ」
「いえ、やっぱり今と違います」
「何かと」
「そうかしら」
「だって少し年上になったしね」
臆病ライオンが言ってきました。
「オズの国の王女になったし」
「それでなの」
「しかもあの時からも数多くの冒険をして」
このこともあってというのです。
「沢山の人や生きものと会ってきたね」
「そういえばそうね」
「しかもね」
臆病ライオンはさらに言いました。
「王女としてオズの国の政治にも携わって」
「首相は私だしね」
「だからね」
「その分私も変わったのね」
「天真爛漫さと勇気と機転はそのままで」
それでというのです。
「人間としてかなり成長してるよ」
「そうなので」
「だからあの時と比べると」
今のドロシーはというのです。
「全く違うよ」
「そうなのね」
「只でさえいい娘だったドロシーがね」
今ではというのです。
「さらによくなったよ」
「そうなのね」
「けれどあの時のドロシーもね」
オズの国に最初に来た時のです。
「素晴らしかったから」
「それでなのね」
「今夜の歌劇は楽しみだよ」
「貴方もなのね」
「うん、とてもね」
こうドロシーに言うのでした。
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