第四十九話 合鏡その十五
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「それで二人でだ、いいな」
「わかったわ」
これが小鳥の返事だった。
「それじゃあね」
「ああ、行って来る」
「無理はしないでね」
これが小鳥の返事だった。
「くれぐれも」
「わかっている、俺は死なない」
神威は毅然として答えた。
「何があってもな」
「それじゃあね」
「これからもな」
神威は微笑んでさらに言った。
「小鳥が作ったものをな」
「食べてくれるのね」
「ああ、ずっとな」
こう言うのだった。
「そうしたい」
「そうなのね」
「戦いが終わってもそれからもな」
「ずっと」
「そうだ、ずっとな」
まさにというのだ。
「お互いが死ぬまでな」
「お爺さんお婆さんになって」
「ははは、いいな」
小鳥の今の言葉に笑って返した。
「このままずっとな」
「一緒に歳を取ってね」
「そしてな」
そのうえでというのだ。
「お爺さんお婆さんになってもな」
「髪の毛が白くなってもね」
「顔が皺だらけになってもな」
「一緒にね」
「歳を取ってな」
「私が作ったご飯をね」
「食おうな、高校を卒業すれば」
神威は戦いの後の近い未来の話もした。
「大学に行くか」
「行くの?」
「そうかもな、そして就職もして」
「それからは」
「結婚もして」
相手が誰かはもう言うまでもなかった、その証拠に神威は今も小鳥をじっと見てそのうえで視線を逸らそうとしない。
「そして子供も出来て」
「一緒に暮らして」
「そしてだ」
そのうえでというのだ。
「今言った通りだ」
「お爺さんお婆さんになっても」
「一緒にいよう」
「そうしようね」
「折角生きているんだ」
今も小鳥を見ている、そのうえでの言葉だ。
「小鳥も俺もな」
「それなら」
「もう二度と離れずだ」
そうしてというのだ。
「そしてな」
「お年寄りになるまでね」
「それからもな」
「お互い最後まで」
「一緒だ」
「そうよね」
「仕事は何がいいか」
この話もだ、神威はした。
「一体な」
「そうよね、お仕事も大事よね」
「どんな仕事をするかな」
「神威ちゃんはどんなお仕事が向いているかしら」
「父さんと母さんは姫様にお仕えしていた」
丁、彼女にというのだ。
「それならな」
「神威ちゃんも?」
「そうなるかもな」
自分で言うのだった。
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