【プロローグ】新暦65年から94年までの出来事。
【第8章】なのはとフェイト、復職後の一連の流れ。
【第9節】背景設定8: 第14管理世界シガルディスについて。
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という意見が強くなって行きました。
そして……シガルディスには2本しかない一等航路は、古来、ゲルドラングとヴェトルーザに接続していたのですが……或る年、不意に「ゲルドラング行きの航路」が二等航路となり、代わりに、ミッドチルダ行きの航路が一等航路と化しました。
ミッドからシガルディスまでは100ローデに達しており、決して「個人転送」で飛べる距離ではなかったため、シガルディスの側では長らくこの変化に気づきさえしなかったのですが、しかし、その頃、ミッドチルダ軍はすでに「転送ポート」の技術を完成させていたのです。
そこで、ミッド陸軍の特殊部隊は、惑星シガルディスの対空監視網が陸半球の側に偏っているのを見越して、まずはチェムゲロン島に潜入しました。やがては政治犯たちの協力を得て、シガルディス軍の監視の目が届かない場所に転送ポートを組み立てて行きます。
そして、ミッド旧暦479年(新暦で前61年)の末。
潜入部隊はまず情報を収集し、陸半球の両首都から近日中に「資源搬送用の船団」が来ると知ると、早速、〈本局〉に連絡をつけて、相当な数の実戦部隊(空士と陸士)をチェムゲロン島に送り込んでもらいました。
そして、彼等は幻覚系の魔法をも駆使して、巧妙に船団の乗組員たちとすり替わり、船団が陸半球の両首都に帰り着くなり、それら両首都の軍司令部に対して「同時奇襲攻撃」を加えました。
もちろん、宇宙の側でも上手くタイミングを合わせて、ミッド海軍の(とても「陽動」とは思えない規模の)艦隊がシガルディス軍の「軌道上の軍施設」を強襲します。
現地の軍司令部は「軌道上での防衛戦」の方にばかり気を取られていたため、突然の対人攻撃に対しては完全に浮き足だってしまい、結果として、この「司令部奇襲作戦」は(若干の幸運にも助けられて)予想以上の大成功を収めました。
シガルディス軍の敗因は、『最新の転送技術を軽視し、次元航行船の動向にばかり注目していたことだった』と言って良いでしょう。
両方の大陸で、あまりにも多くの要人が一か所に集まり過ぎていたため、彼等がまとめて捕らえられてしまうと、シガルディス政府としても、一旦は停戦して「秘密交渉」の席に着く以外の選択肢がありませんでした。
正直なところ、シガルディス人たちは、その席で「莫大な賠償金の請求」とか、「占領軍による直接統治」とか、「不平等条約の締結」などといった、相当に無茶な要求を呑まされてしまうのではないかと危惧していたのですが……彼等の悲観的な予想に反し、ミッド軍の全権大使はその席で「破格の好条件」を持ち出しました。
『シガルディスには是非とも「14番目の管理世界」となって、統合戦争の終結に向けて力を貸してほしい』と言うのです。
確かに、『管理局に軍を統合され、将来
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