【プロローグ】新暦65年から94年までの出来事。
【第8章】なのはとフェイト、復職後の一連の流れ。
【第9節】背景設定8: 第14管理世界シガルディスについて。
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」を正しく理解することすらできなかったのですが、それでも、それらの技術によって、現実に大気の汚染も劇的に改善され、また、人々は炭鉱での危険な重労働からも解放されました。
すべての戦争が終わったため、もう誰も兵役に取られる心配は無く、遠く離れた土地へも自由に安全に往来することができるようになります。
こうして、シガルディスの人々は、『戦争で奪い合うよりも、交易で融通し合った方が人間は豊かになれるのだ』という「当たり前のこと」を学んで行きました。
また、基本的には貴族階級である「聖職者」が残らず排除された結果、人々は彼等自身の伝統的な宗教を喜んで放棄しました。それと言うのも、その宗教は、今や単なる「貴族利権の温床」と化していたからです。
一体いつの頃からか、その教義内容も歪められ、その時代にはもう大変に権威主義的で差別的な代物に成り果てていました。中でも、身分による差別と女性への差別は、まさに度し難いほどの水準です。
先祖伝来の農地からも追い出され、工場などでただ搾取されるだけの「無産市民」と成り果てていた多くの民衆は、諸手を挙げて「善意の侵略者たち」を歓迎しました。
それは、当のルヴェラ人たちにとっても全く予想外の熱烈さでしたが、ともかく、シガルディスの人々はこうしてまた、『社会全体で一定水準以上の倫理観さえ維持できていれば、宗教など無くても人間は幸福になれるのだ』という「当たり前のこと」を学んで行きました。
また、ルヴェラの人々は、〈号天〉から突如として来訪した「第四統一王朝」の偵察艦隊を撃退した後、シガルディスを「外敵に対する重要拠点のひとつ」に成り得る世界と判断して、ただの植民地ではなく、半ば独立した「従属国」という扱いにしました。
シガルディス人はこれを「名誉なこと」と考えて、その後は、みずから進んでルヴェラの下僕となり、やがては植民地支配の補佐や代行まで務めるようになりました。
そのため、最寄りの二つの有人世界では、今なおシガルディス世界は相当に嫌われているのですが、幸いにも(?)それらの世界は、現在では両方とも管理外世界という扱いになっています。
さて、先史ルヴェラ文明は、多くの世界に多大なる影響を及ぼしました。
しかし、〈大断絶〉の数百年後、今を去る2500年ほど前に、ルヴェラ世界の勢力が初めて拡大を始めた頃には……ルヴェラから「北東やや北寄りへ160ローデたらず」の地点には、ヴァドゥガナという世界があるのですが……その世界が、すでに近隣のゼナドリィやフェディキアやリベルタを傘下に収めており、範囲はごく狭いものでしたが、独自の勢力圏を築き上げていました。
ルヴェラはそうとは知
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