暁 〜小説投稿サイト〜
魔法戦史リリカルなのはSAGA(サーガ)
【プロローグ】新暦65年から94年までの出来事。
 【第8章】なのはとフェイト、復職後の一連の流れ。
 【第9節】背景設定8: 第14管理世界シガルディスについて。
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ていません。
 それと言うのも、この世界もまた「三千年あまり昔の〈大断絶〉の時代」に一度は滅びかけており、それ以前の文献や文物は何も残されていないからです。
 その後、今から2400年ほど前に、先史ルヴェラ文明の人々が「最初の異邦人」としてこの世界を訪れた時、シガルディスの人々はすでに「東西の大陸」に分かれ住み、互いによく似た言語を用いながらも、多くの国々に分かれて、しばしば戦争をしていました。
 この両大陸における最大の問題点は、『地球やダムグリースと同様に、「魔導用のクリスタル」が天然資源としては全く産出しない』ということです。そのため、当時のシガルディスには「魔法文化」はあっても、まだ「魔導技術」がありませんでした。
 また、人々は機械的な動力の大半を「豊富に産出する、質の悪い石炭」に依存していたため、両大陸の大気汚染はかなり深刻な水準に達していたのだと言います。

 一方、当時のルヴェラは、豊かな自然に恵まれた美しい世界で、もちろん、大気にも水にも汚染など全く無く、しかも、ルヴェラ人はみな、それが「当たり前のこと」だと思っていました。
 そこで、彼等は『このままでは、この世界の原住民たちが可哀(かわい)そうだ。それに、このままでは、自分たちも「安心して」この世界を植民地支配し、地上に降り立つことができない』と考えて、「善意の押し売り」を始めました。
 つまり、頼まれてもいないのに、魔力駆動炉や核融合炉や電気関連の技術などを無償で(無節操に)供与していったのです。
 その一方で、ルヴェラの人々は力ずくで、この世界の戦争をすべて終わらせ、貴族階級を排除して常備軍を解体し、四十以上もあった諸国家を統廃合して両大陸をまとめて六つの「属州」に分割し直し、標準語を確定し、石炭の採掘と使用に少しずつ制限をかけながら、何年もの時間をかけてそれらを「完全に禁止」の方向へと持って行きました。

 腐敗した貴族階級を一掃(いっそう)してもらえたことが、よほど嬉しかったのでしょうか。最初のうちこそ「強大な侵略者たちに(おび)えながら」ではありましたが、シガルディスの人々は、やがて意外なほど素直に「善意の侵略者たち」の指示や命令に従うようになり、自分たちの社会のあり方を急速に変えて行きました。
 あえて悪く言うならば、シガルディス人は、理念もプライドもかなぐり捨てて「実利」を取ったのです。
 彼等にとって、当時、蒸気機関は「最新の技術」だったのですが、ルヴェラ人には「あっさりと全否定」されてしまい、蒸気機関車は電動の車両に、蒸気式の外輪船は電動式のスクリュー船に、都会のガス灯も電灯に、馬車もまた電動の自動車に、急速に置き()えられて行きました。

 電気関連の技術はまだしも、魔力駆動炉や核融合炉に至っては、シガルディス人にはまだ「その原理
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