【プロローグ】新暦65年から94年までの出来事。
【第8章】なのはとフェイト、復職後の一連の流れ。
【第8節】キャラ設定8: ヴァラムディとフェルガン。
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との交易なしには成り立たないものとなっていたのです。
だから、島民たちは当然、ヴァラムディとフェルガンの行為を積極的には支持しませんでした。
『そのガキどもを庇う奴等は、皆殺しにして構わねえ。必ずそのガキどもを捕らえて、生きたままオレの目の前にまで連れて来い。この世に生まれて来たこと自体を後悔するほどの苦痛を味わわせてやるぜ』
可愛い異母妹を焼き殺されたドン・ヴァドラムザは、静かにそう怒り狂って、ジョスカーラ島に兵を差し向けました。
ジョスカーラ島の側には、これに対抗できるほどの兵力など存在していません。
だから、島民たちは、あたかもそれが「当然の権利」であるかのように、ヴァラムディとフェルガンに向かって言い放ちました。
『我々の島から、早く出て行ってくれ』と。
最初、ヴァラムディとフェルガンには、領民たちが何を言っているのか理解できませんでした。
彼等自身は、『自分たちは、悪党の圧政から領民たちを開放してやった』ぐらいのつもりでいたからです。『だから、感謝されて当たり前だ』と信じ込んでいたのです。
しかし、実際には、ガロニークは「為政者としては」それなりに有能な人物であり、島民たちも『彼がその地位に就いた経緯を別にすれば』彼の政治そのものに対しては特に不満などありませんでした。
ヴァラムディとフェルガンにしてみれば、全く『信じていた領民たちから裏切られた』といった気分です。もっと率直に言えば、『そもそも、この島は我が一族の島であって、お前たちの島ではない』という気持ちでした。
二人の考え方は、すでに古すぎたのです。
幸いにも、「かつての〈東の王〉の一族」の老当主から、素早く「移住の勧誘」があったので、ヴァラムディとフェルガンはそれに乗ることにしました。
全く不本意ながらも、半ば追われるようにして故郷の島を離れ、一旦は東の〈王の島〉へと身を寄せます。
また、世が世ならば〈東の王〉と呼ばれていたはずの、その老当主は、開明的な考え方の持ち主であると同時に、旧い価値観にもよく理解を示す人物でした。
『西方州の勢力と「対等の」関係を維持できるのであれば、彼等と手を組むこと自体に特に異存は無い。だが、ドン・ヴァドラムザだけは、ダメだ。もしも今ここで「裏切り者」を許したら、この世界の「歴史」そのものに汚点を残すことになる!』
その主張は、ヴァラムディとフェルガンにとっても、大変に納得のゆくものでした。彼等自身、実際に「裏切り者」である叔父を討ち取って来た身の上なのですから。
二人は、老当主が所有する「四つの館」の一つに、「二間続きの部屋」と「忠実で有能な二人のメイド」を与えられ、よくよく感謝しつつ、そこ
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