【プロローグ】新暦65年から94年までの出来事。
【第8章】なのはとフェイト、復職後の一連の流れ。
【第8節】キャラ設定8: ヴァラムディとフェルガン。
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垂れて尻尾を振り、南方州の「事実上の支配者」として認められたのです。
ジョスカーラ島は、東方州の中ではかなり南方州寄りに位置していたため、グランザンも当然に、それ以来ずっと警戒はしていました。しかし、「信頼する身内」に裏切られることまでは、さすがに予想できなかったようです。
彼は、自分の従弟でもある「妻の実弟」ガロニークを自分の片腕と信じて、島の警備面などを一任していたのですが、その義弟は、ドン・ヴァドラムザの方から送り込まれた美女シェルムゥ(実は、ドン・ヴァドラムザの異母妹)に誑かされて、ジョスカーラ本家の屋敷に夜襲をかけました。
管理局の暦では、新暦82年の4月。つまり、ミッドでは、ちょうどなのはとフェイトが26歳で結婚した頃の出来事です。
当時、姉のヴァラムディは14歳、弟のフェルガンはまだ10歳でした。
実の叔父に両親を惨殺されて、二人は心に固く「復讐」を誓いながらも、燃え盛るその屋敷から落ち延びました。ガロニークは手勢を集めて、急ぎ「山狩り」を始めましたが、それでも、二人を見つけることができません。
一般には秘密の話ですが、実は、ヴァラムディは大変に優秀な幻術魔法の使い手だったのです。自分たちの姿を『敵の目に映らなくする』ことぐらいは、お手の物でした。
(幸いにも、ダムグリースにはテルマースと同様、「犬」という生き物がいませんでした。)
その後、時には山中に雌伏し、時には離島に身を潜め、復讐の機会を窺い続けること、実に五年あまり。
その間に、フェルガンは、転落事故で死にかけたことを契機として新たな魔法の能力に目覚め、強力な「炎熱変換資質」を発現させました。そして、姉ヴァラムディとともに、ついに復讐を果たします。
ガロニークは、妻となったシェルムゥとともに幻術に惑わされて、屋敷の外へ逃げ出すこともできぬまま、その屋敷ごと焼き滅ぼされました。彼は今こそ、実の姉と「自分を片腕と信じてくれていた義兄」とを裏切り、焼き討ちにしたその報いを受けたのです。
管理局の暦では、新暦87年の7月。つまり、ミッドでは、ちょうどトーマとメグミが結婚式を挙げた頃の出来事でした。
なお、ダムグリースでは古来、「実の父親を殺された息子」にとって、復讐は法律で認められた「正当な権利」であり、また、社会的には「当然の義務」でもありました。
だから、少なくともダムグリースの「旧来の価値観」からすれば、ヴァラムディとフェルガンは何ひとつ間違ったことはしていないのです。
しかし、わずか五年のうちに、「時代」は変わってしまっていました。
ずっと逃亡生活を続けていた二人には、どうにもピンと来ない話でしたが、今ではジョスカーラ島での「普通の生活」も、南方州
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