【プロローグ】新暦65年から94年までの出来事。
【第8章】なのはとフェイト、復職後の一連の流れ。
【第8節】キャラ設定8: ヴァラムディとフェルガン。
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には「優に千年を超える歴史」があり、個々の島々にも、それぞれに「固有の伝統」と「それに対する自負」がありました。
だから、多くの人々が「中央政府による暴力的な統合」によって、自分たち固有の文化や伝統が失われてしまうことを嫌ったのです。
『この〈居住域〉を統一するにしても、元々が「四つの文化圏」に分かれていたのだから、それに合わせて「四州から成る、ゆるやかな連邦制」を採用するべきだ』
「かつての〈東の王〉の一族」はそう主張し、他の二つの「かつての王家」とも結託して、西方州の勢力を牽制しました。北方州および南方州では少しばかり意見が割れたりもしましたが、大勢としては東方州の意見に賛同します。
その結果、その後は、おおよそ半世紀に亘って、西方州の勢力と三州連合の勢力は微妙な均衡を保ち続けたのでした。
また、この世界では古来、「王」や「候」や「伯」や「小伯」は島の領主として、その島の名前をそのまま自分たち一族の苗字にしていました。
ジョスカーラ家もまた、『かつては「ジョスカーラ島とそれに付随する幾つかの離島」を統治しつつ、〈東の王〉に臣従していた』という、高名な「伯」の一族です。
そして、法制度の上では身分制が廃止された後も、実際の社会のあり方としては、ジョスカーラ家の当主は、事実上の「島の統治者」であり続けていました。法律上の「形式」としては、『地域住民の総意により、代々「その地域の行政府の長官」に選任され続けている』という状況です。
と言っても、付随する離島まですべて含めても、島の総面積は1500平方キロメートルあまり。総人口もせいぜい15万人といったところなので、ジョスカーラ家の生活も、それなりに倹しいものでした。
現当主の名は、グランザンと言います。彼は、分家から従妹のルドヴィナを妻に迎えて幸福な家庭を築き、愛妻との間に1女と1男をもうけました。
管理局の暦で言うと、姉ヴァラムディは新暦68年の夏の生まれ。弟フェルガンは72年の秋の生まれです。
一家四人はみな、外見的には「典型的な」テルマース人で、軽く波打つ褐色の髪と肌理の細かな小麦色の肌をしていました。
そして、ミッドでは〈三元老〉が相次いでこの世を去った頃、ダムグリースの「微妙な均衡」は、卑劣な裏切りによって一気に崩れ去りました。
裏切り者の名は、ドン・ヴァドラムザと言います。
彼は、南方州のヴァドラムザ島を統べる「候」の一族の当主でしたが、他の世界から小型の質量兵器(銃器)を大量に購入した上で、自身の主家である「かつての〈南の王〉の一族」に卑劣な夜襲を仕掛け、女や赤子まで皆殺しにしました。
そうして、中央政府(西方州の勢力)に頭を
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