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魔法戦史リリカルなのはSAGA(サーガ)
【プロローグ】新暦65年から94年までの出来事。
 【第8章】なのはとフェイト、復職後の一連の流れ。
 【第7節】新暦88年の出来事。
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たびたび)世間を騒がせている一連の〈モンストルム案件〉は、クロノ中将および八神提督の管轄ということにされてしまったのでした。


 そして、同じ頃、パルドネアのアルザス地方では、ヴォルテールの産んだ卵が、人知れず孵化(ふか)していました。
 この時点で、その体格はすでに普通の人間よりも一回り大柄なものとなっています。
【なお、この幼竜が人前(ひとまえ)にその姿を現すまでには、まだ軽く20年余の歳月を要したのですが……それはすでに「この作品の守備範囲」ではありません。】


 また、12月には、戦技教導隊で毎年恒例の「士官学校・空士コース2年生(16歳)の最終実技試験」が実施されました。
 今年は、なのはとヴィータも試験官としてこれに参加します。
(なお、この頃には、ヴィータは常に「大人の姿」でいるようになっています。)
「今年は豊作だな。有望株が四人もいるぜ。例年は一人か、せいぜい二人なのに」
 ヴィータの言うとおり、以下の四人は、将来的には「空戦Sランク」を目指せるほどの、有望な人材でした。

 まず、「ブラコンの妹」が二人もいる、ゼオール・バウバロス。
 次に、「驚くほど()け顔」の、ドストラム・ジェグーリオ。
 そして、「言動がチャラい」と(ちまた)で評判の、カレル・ハラオウン。
 最後は、「外見に似ず」可愛い性格の、マウロー・トルガザールです。

 さて、マウローは、珍しい「凍結変換資質」の持ち主で、この中では紅一点。実は、なのはの大ファンでした。
 しかし、彼女は後に、ヴィータの感想(叱咤激励)を中途半端な形で伝え聞き、『あれ? 私、もうちょっと頑張らないと、なのはさんの直属の部下には成れないのかな?』などと、全く「見当はずれ」の悩みを(かか)えてしまうことになります。


 一方、シェンドリール家では、この年の暮れに、ラゼルミア(メルドゥナたちの父方祖母、享年72歳)の10回忌がありました。
 末子ルディエルモ(14歳)は、まだ陸士2年目でしたが、実は、この頃からすでに次姉メルドゥナの「現場担当補佐官」になることを考え始めていたようです。
【実際、彼は翌89年の秋に、その試験に合格しました。そして、同じく「事務担当補佐官」の試験に合格した末姉フラウミィとともに、90年の4月からは、産休明けの次姉メルドゥナの補佐官となります。】




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