【プロローグ】新暦65年から94年までの出来事。
【第8章】なのはとフェイト、復職後の一連の流れ。
【第7節】新暦88年の出来事。
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式の小さなバッグ」が出土し、ユーノは改めてそれを遺品として相続しました。
蓋を開けてみると、その中には、長期保存用のコーティングを施された「某女性と某男性のツーショット写真」が一枚だけ入っています。
二人とも、実に良い笑顔をしていました。まあまあ「美男美女の類」だと言って良いでしょう。
「ほら。こちらの女性が、お前の母親、アディさんだよ」
ミーナはそう教えてくれましたが、男性の方には全く心当たりが無いそうです。
(ということは……もしかして、この男性が、僕の父親なのか?)
確証はありませんでしたが、母親がわざわざこれを遺品として遺した理由は、それぐらいしか思いつきませんでした。
どうやら、写真の場所は居酒屋か何かの「お店」の中のようですが、この二人以外の人物は全く写り込んでいません。
また、その男性はアディとおおよそ同じ年代のように見えましたが、それ以上のことは、今はまだ何も解りませんでした。
こうして、ユーノはまた〈本局〉に戻りました。
そして、9月になると、ユーノはダールヴを呼んで、その写真の画像データを手渡し、この二人について(ユーノ自身の名前が決して表には出ないような形で)調べてもらうことにします。
もちろん、ユーノは『これが自分の両親かも知れない』などとは一言も告げずに、ダールヴには『この二人は、一昨年の依頼と同様の、単なる「時効成立事件」における重要参考人である』とだけ伝えました。
ダールヴは早速、クレモナへ飛び、現地では探偵なども雇いながら(時には「広域捜査官の外部協力者」という肩書きも利用して)調査を進めていきます。
しかし、『三十年以上も前の写真が一枚あるだけ』では、さすがに情報不足で、ユーノが『特に急ぐ話ではない』と明言したこともあり、また、ダールヴはこの春に父親になったばかりだったということも手伝って、単なる「中間報告」までにも、それから丸2年もの歳月を要してしまったのでした。
さて、ここでまた話は少しだけ遡って、7月のことです。
ルーテシアとファビアはまた二人で三か月ぶりにミッドを訪れると、まずは八神提督の自宅で、はやてにジークリンデとその娘(満1歳)の様子について報告し、自分たちの「真摯な要望」をも伝えてから、アンナの父親が経営する病院で相当数の卵子を採取し、当局に卵子融合での出産を希望する旨を申請しました。
また、しばらく時機を見計らってから、8月には秘密裡に〈外35号天〉へと渡航し、皇帝軍の目を巧みにかいくぐって「白天王」と直接の対面を果たします。
実のところ、ルーテシアとファビアは85年の9月にヴォルテールと面会して以来、ほぼ3年もの間、ずっとこの機会を窺っていた
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