【プロローグ】新暦65年から94年までの出来事。
【第8章】なのはとフェイト、復職後の一連の流れ。
【第7節】新暦88年の出来事。
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内容はほとんどすべてが「第二級の特秘事項」にされてしまいました。
【管理局の「隠蔽体質」には定評があります!(笑)】
また、6月の上旬、ティアナとウェンディだけではなく、ギンガとチンクも別件でミッドを離れていた時のことです。
スバル(28歳)は非番の日にふと車で下町へ出かけた折り、小雨の降りしきる中、一人の少年が路地で力なく地べたにうずくまっているのを見つけました。もちろん、戦闘機人の眼でなければ、見逃していたことでしょう。
スバルはとっさに「救護対象」と判断して車を戻し、路地に入ってその少年を抱き起こしましたが、どうやらただ単に無一文で腹が減って倒れていただけのようです。しかし、これほどずぶ濡れのままでは、普通の飲食店へ連れて行くこともできません。
スバルはやむなく、普段から車内に備品として積み込んでいた毛布で少年の全身を包んで車に乗せ、そのまま少年を「その種のホテル」へと連れ込みました。
「とにかく、まずバスルームで体を温めて来なさい。それから、食事にしましょう」
そう言って、少年を風呂に入らせている間に、少年の下着と服と靴、および毛布を急ぎのクリーニングに出し、部屋にほとんど四人分もの食事を持って来させます。
少年は「全裸にバスローブひとつ」という姿のまま、スバルと一緒に相当な勢いで食事を取りました。その食事を二人で食べ切ってから、ようやく事情聴取が始まります。
少年の名は、ラディスリィ・パモレスカと言いました。
この3月に義務教育課程を修了して、故郷のメブレムザ地方から「口減らし」も同然に上京して来たばかりの15歳だそうです。
しかし、スバルにとっては、その年齢はやや意外なものでした。体格や表情から判断して、もう少し年下だろうかと思っていたのです。
確かに、15歳の男子にしては、やや小柄で貧相な体つきのようにも見えましたが、よくよく見ると、骨格そのものは意外としっかりしていました。どうやら、ごく最近の栄養不足で少しやつれていただけだったようです。背丈も、今はまだスバルより少し低いぐらいでしたが、きっとこれからまだ多少は伸びるのでしょう。
訊けば、『地元は今、大変な就職難で、自分は親族の紹介で運よくクラナガンの下町の小企業に雇ってもらい、この4月から働いていたが、先日、その会社がいきなり倒産し、社員寮からも追い出されてしまった。実家は貧しく、自分からの仕送りが無くても「かろうじて」何とかなるだろうが、逆に実家から金を送ってもらうことなど絶対にできない。いろいろあって田舎の実家に戻る訳にも行かないが、自分は口が下手なので、知り合いの一人もいないこの土地では、要領よく再就職先を見つけることも難しい』とのことでした。
要するに、この少年はもう完全に行き
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