【プロローグ】新暦65年から94年までの出来事。
【第8章】なのはとフェイト、復職後の一連の流れ。
【第6節】新暦87年の出来事。(後編)
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回忌が営まれました。
局を挙げての盛大な儀式になりましたが、当人たちの身魂がこれを喜んでいるかどうかは、疑わしいところです。
そして、11月になると、メガーヌとルーテシアとファビアが、地元でひっそりと「ルーテシアの父親、および四人の祖父母」の20回忌を営みました。
五人の10回忌は、ルーテシアとメガーヌが(カルナージに転居する直前に)マウクランの方で済ませています。
遺骨や墓がここにある訳ではないので、ごく簡素な式になりましたが、そこで改めて五人が死亡した経緯を聞くと、ファビアは思わず正直な感想を述べました。
「そのスカリエッティとかいう奴は、許せませんね。もし今ここにいたら、私がこの手で息の根を止めてやるのですが」
「私は可愛い娘に犯罪者になってほしくはないから、彼にはいつまでも衛星軌道拘置所の中に引き籠っていてほしいけどね」
メガーヌはそう言って、ファビアをそっと抱きしめました。ルーテシアも軽く笑って、こう述べます。
「チンクも先日、『久しぶりに回線をつないで見たら、もう哀れなまでに変わり果てた姿になっていた』とか言ってたからね。私も、あの連中はみな、このままあの場所で空しく朽ちて行けば良いと思ってるわ。だから、あなたがわざわざ腹を立ててやる必要なんて無いのよ」
ややあって、メガーヌはふと思い出したように、ファビアに問いました。
「そう言えば、あなたの実の御両親の命日って何月ごろだったかしら?」
「あの人たちのことは、別にもう祀らなくて良いですよ。親らしいことなんて、何もしてもらった記憶はありませんから。それより、再来年の2月になったら、今日の式と似たような感じで、私の祖母マルーダの10回忌をやっていただけませんか?」
「ええ。もちろん、やりましょう。可愛い孫に祀ってもらえれば、マルーダさんの身魂もきっと浮かばれるでしょう」
そこまで言ってから、メガーヌはまた不意に、先月、ジークリンデの娘をちょっと抱っこさせてもらった時の感触などを思い出しながら、少し悪戯っぽい口調で二人の娘たちに言いました。
「そう言えば、『孫』で思い出したんだけどさ。私の孫って、まだなのかしら?」
「ええ……。(絶句)」
「これはまた……いきなり来ましたね。(困惑)」
「まだ相手だって見つかってないんだから。ママ、もう少し気長に待っててくれる?」
「はーい。待ってまーす。(良い笑顔)」
《ルー姉。もしかして……母さんって、実は、お茶目な性格だったんですか?》
《普段はそうでも無いんだけど……時々、不意にああなるのよねえ。今日は朝からお酒でも入れて来たのかしら?》
ルーテシアとファビアはそろって困惑気味でしたが、実のところ、メガーヌはそれ
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