【プロローグ】新暦65年から94年までの出来事。
【第8章】なのはとフェイト、復職後の一連の流れ。
【第6節】新暦87年の出来事。(後編)
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士の有能な助手でもあった1男1女は、燃え上がる隠れ家から無事に逃亡』という、「ほとんど最悪」と言って良いモノになってしまいました。
しかも、どうやら、逃亡したノグメリス兄妹(兄ザロガン24歳と妹ヴェレニィ18歳)は、薬の現物とその資料を持って何らかの「犯罪組織」に合流しようとしているようです。
それが一体どんな組織なのかは、その時点ではまだよく解ってはいなかったのですが……相手がこれほどまでに警戒してしまっているのでは、もう『これ以上、泳がせておく』ことになど、何のメリットもありません。
ギンガとチンクは、その合流を力ずくで阻止すべく動くと同時に、現地陸士隊のさらなる暴挙を予期して、医療船経由で〈本局〉に執務官の派遣を「緊急要請」しました。
この事件を「執務官案件」にしてしまえば、現地陸士隊の勝手な行動を「法的に」抑制することが可能となるからです。
(もちろん、自力で解決した方が業務上は「高得点」になるのですが、もはやそんな些細なことを気にしている場合ではありません。)
一方、その日の夕刻になると、ザロガンは『このままでは逃げられない』と悟ったのでしょう。せめて妹のヴェレニィだけでも逃がそうと、みずからその薬物を街中で使用しました。
変身魔法の暴走でしょうか。小柄な若者の体は見る見る巨大化し、何やらバケモノじみた、醜くドス黒い獣のような姿へと変貌を遂げていきます。
チンクは速やかに一般市民の避難誘導に移り、ギンガは「逃げ遅れた小児ら」を助けた後、単身でその「怪物」の鎮圧に向かいました。
【その小児らの中には、現地の陸士隊に所属するロスコォ・ファザムレェ三等陸尉の1男1女、兄イヴェリム(13歳)と妹アデルカ(8歳)も含まれていました。
そして、翌年(新暦88年)の春、ロスコォ三等陸尉は首都ヴォグニスへ異動となり、妻子とともに〈中央島〉へと移り住みました。
後に、この兄妹は首都圏で管理局に入って捜査官となり、妹の方はさらに「憧れの人物」と同じ広域捜査官を目指すことになります。】
しかし、今や身長に軽く二倍以上の開きがあるので、ウイングロードなしでは普通に殴りかかることすら容易ではありません。
ザロガンは、周囲の車を持ち上げて投げつけて来たりもしましたが、幸い、元々の魔力があまり強くはなかったようです。チンクが一般市民の避難誘導を終えて応援に入ると、形勢は一気に傾き、ザロガンは意外なほど呆気なく倒されました。
このことからも、彼が『元々は、自分でこの薬物を使うつもりなど全く無かった』ことは明らかです。本当に、妹一人を逃がすためだけに、みずから犠牲になったのでしょう。
ヴェレニィには、薬の現物やその資料と
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