暁 〜小説投稿サイト〜
魔法戦史リリカルなのはSAGA(サーガ)
【プロローグ】新暦65年から94年までの出来事。
 【第8章】なのはとフェイト、復職後の一連の流れ。
 【第5節】新暦87年の出来事。(前編)
[5/6]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
の背中から飛び降り、ウイングロードで地表に降下。エリオもその後に続き、フリードは続けざまに小型の火球を吐き散らかして、地上の警備兵たちの二人への攻撃を牽制(けんせい)しました。
 キャロだけはフリードの背中に残り、想定外の状況に備えて、上空から周囲の状況を広く俯瞰(ふかん)します。
(結果としては、「塔の外では」想定外の状況など何ひとつ起きなかったのですが、それはあくまでも「結果」でしかありません。)
 ティアナも地表に降りて、スバルと合流し、執務官の身分を明かして、警備兵たちの塔への突入を実力で阻止しました。その間に、エリオは独り地上一階から塔の中へ突入。まずはエレベーターホールを破壊し、塔内の警備兵たちを()ぎ倒しながら階段を駆け登って最上階を目指します。
 もちろん、それは「首謀者の逃走を想定し、その一団を迎え撃つための措置」だったのですが、やがて、エリオの許にはフェイトから念話で『もう逃走の心配は無いから、それほど急がなくても良い』との連絡が入りました。
(ティアナとスバルの方でも、警備兵たちはもうあらかた投降したようです。)


 アインハルトが突入して見ると、その塔の最上階は広大なワンルームになっていました。部屋の中央には、巨大な透明の円筒が高くそびえ、その中には一組の脳髄と脊髄が浮かんでいます。
 また、その円筒の基底部からは何十本もの機械的な触手が伸び、周囲の壁にはぐるりとモニターや操作パネルの(たぐい)が並んでいました。
 アインハルトは一瞬おいて、その脳髄が今回の事件の首謀者「本人」であることに気がつき、その脳髄に向かっていろいろと尋問を始めたのですが、すでに老人性の痴呆が始まってしまっているのか、なかなか要領を得ません。

 なのは《ねえ、フェイトちゃん。これって、多分、例の〈三脳髄〉の実験体だよね?》
 フェイト《ええ。でも、私たちには誰かに〈三脳髄〉の話をする「権限」が無いわ。はやても、今は遠方に出かけてしまっているし……。多分、この企業の創立者の「子孫」ではなく、「本人」なんだろうと思うんだけど……。》
 なのは《でも……この人、もうボケてるんじゃないの?》
 フェイト《困ったことに、どうやら、そのようね。》

 なのはとフェイトの予想どおり、その脳髄は〈三脳髄〉の実験体であり、同時に、この企業の創立者「本人」でした。
 いや。そもそも、彼は旧暦の時代に、最高評議会の三人組の口車に乗り、みずから実験体として志願したからこそ(そして、他の志願者たちが次々に死亡してゆく中で、彼だけが「運よく」生き残ったからこそ)これだけの施設と莫大な成功報酬を与えられ、「デムロクス製薬」の創立者となることができたのです。
 しかし、当然ながら、新暦75年以降は、ミッドの〈三脳髄〉と連絡がつかなくなっていたた
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2025 肥前のポチ