【プロローグ】新暦65年から94年までの出来事。
【第8章】なのはとフェイト、復職後の一連の流れ。
【第5節】新暦87年の出来事。(前編)
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の「運用部・差配課」の方から回されて来る「比較的単純な案件」を処理してゆく』というのが管理局の慣例なのですが……時には、差配課も個々の案件の難易度を見誤ることがあります。
10年前にティアナが最初に担当した〈グランヴェル事件〉もそうでしたが、この年の4月に、アインハルトが初めて担当した案件も、まさにその典型でした。
最初は「ごく単純な薬物密売事件」のように見えたその案件は、〈管9ドナリム〉の首都ブラゲルドに舞台を移したところで思わぬ超展開を遂げます。
アインハルトは、現地での情報提供者があからさまな「不審死」を遂げた後、朧げながら事件の全貌が見えて来たところで、賢明にも『これは、自分だけで何とかできる案件では無い』と察して、まずは素直に「師匠」であるフェイトの手を借りることにしました。
そして、この事件は、最終的に「伝説の機動六課」の前線メンバーのうち、八神家の二人を除いた六名(なのは、フェイト、スバル、ティアナ、エリオ、キャロ)が再び集結して、アインハルトとともに『今や脳髄と脊髄だけの姿となった、ドナリム経済の「影の支配者」を排除する』という「とんでもない大事件」に発展してしまったのです。
時は、新暦87年の7月上旬。
場所は、ドナリムの首都ブラゲルドの東部郊外にある、小高い丘の上。
そこにある一群の施設は、ドナリムを代表する大企業のひとつ「デムロクス製薬」の研究施設であり、『旧暦の末、この企業が創立された頃からこの丘の上にあった』という、この企業にとってはほとんど「聖地」のような特別な施設です。
しかし、実のところ、悪事の証拠は揃ったものの、アインハルトたちはまだ「首謀者の正体」を特定できていませんでした。おそらくは、この企業の創立者の、孫か曽孫といった「直系の子孫」なのでしょうが……。
その人物が、この施設の広大な敷地の中央部に建つ「塔」の最上階に、長年に亘って引き籠り続けていることは確かなのですが、その広大な敷地全体に「産業スパイ対策」の名目で必要以上に厳重な警備が敷かれているため、その首謀者に逃亡する隙を与えず、確実にその身柄を確保しようと思うと、空から侵入して、過剰戦力でいきなりその「塔」全体を制圧するのが最も確実な方法です。
充分に離れた場所で、キャロはまずフリードを「本来の姿」に戻し、フリードは空戦の苦手な三人(スバル、エリオ、キャロ)を背中に乗せて静かに飛び立ちました。もちろん、なのはと三人の執務官も、自力で飛んでそれに続きます。
この時点で、なのはとフェイトはすでに「嫌な予感」に駆られていました。率先してその施設の対空防壁を貫き、そのまま塔の外壁をもブチ抜いた上で、この案件の担当執務官であるアインハルトを先に行かせます。
一方、スバルはフリード
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