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魔法戦史リリカルなのはSAGA(サーガ)
【プロローグ】新暦65年から94年までの出来事。
 【第8章】なのはとフェイト、復職後の一連の流れ。
 【第5節】新暦87年の出来事。(前編)
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ん。あの祖父は一体何を考えていたのでしょうか?」
 そこで、クロノとはやても覚悟を決め、マギエスラにも真実を伝えることにしました。
「これを聞いたら、もう後戻りはできなくなるが、それでも、真実を知りたいか?」
 クロノにそう念を押されると、マギエスラはやや(いぶか)りながらも、決然とうなずきます。

 そこで、はやてはミゼットから託された「遺言」とも言うべき映像資料をマギエスラにも見せました。マギエスラは(新暦78年の10月下旬にこれを見た、なのはやフェイトと同じように)ここで初めて「三脳髄」のことを知り、愕然となります。
「それでは……ほんの12年前まで、管理局は……その怪物どもに支配されていたのですか?」
「まあ、怪物という表現が妥当かどうかは、ちょぉ微妙なところやけどな。そんな訳で、イストラさんも脳にチップを埋め込まれたりして、いろいろと大変だったんよ。
 私は、生前お目にかかる機会も無かったし、赤の他人がこんな言い方をするのも(なん)やけど……マギエスラさんも、お祖父(じい)ちゃんのこと、あんまり(わる)う思わんといたげてや」
「……では、父が私に繰り返し『やめておけ』と言っていたのも、もしかして……」
「うむ。実は、ザドヴァン卿も、この話は知っている」
 マギエスラの無言の問いにうなずいて、クロノはさらに、三脳髄の存在に関しては〈三元老〉が全力でそれを隠蔽したことや、彼等がそうするに至った理由や、彼等の「未来に対する想い」などについても、マギエスラに語って聞かせました。
 そして、マギエスラはすべてを聞き終えると、クロノとはやてに対して自分もまた〈三元老〉の遺志に従うことを誓いました。
 こうして、彼女もまた、はやてたちの「同志」となったのです。

【また、クロノはこの翌日に、正式に辞令を受け取り、中将に昇進しました。中将とは、戦時中であれば「方面軍」を任されるべき階級です。
 ちなみに、各管理世界の「地上本部」は本来「方面軍」という扱いなので、その司令官の階級も当然に、原則としては中将なのですが、制度的には「一時的な状況であれば」少将でも構わないものとされています。】


 なお、スバル(27歳)とミウラ(20歳)は同時に三尉に昇進しており、二人はカルナージから戻った翌日(3月28日)の朝には、各々の隊舎に出頭して早速その辞令を受け取りました。
 また、ミウラは同日、はやてから「首都郊外の一戸建て」を一軒、無償で貸し与えられることになり、29日(五曜日)の午後には、スバルによくよく礼を言ってから、またザフィーラに手伝ってもらって、慌ただしく引っ越し作業を済ませました。
 しかし、他には、適当な物件が見つからなかったのでしょうか。
 その一戸建ては、明らかに単身者向けのものでは無く、家族が四〜五人い
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