【プロローグ】新暦65年から94年までの出来事。
【第8章】なのはとフェイト、復職後の一連の流れ。
【第2節】新暦86年の出来事。(後編)
[2/9]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
、他ならぬ「あの子」にこそ、私たちの遺産を相続してほしいと願っている。
彼は今、スプールスの自然保護隊にいると聞いた。そこで、お前には今から彼に会って、何とか話をつけて来てほしいのだ』
もちろん、エリオは今さらそんな「お涙ちょうだい」な話を聞かされても、全く乗り気にはなれませんでした。
しかし、部隊長からも『きれいな金は、いくらあっても困ることはないぞ』と説得され、「直接には会わないこと」を条件に、その願いを聞き入れることにします。
こうして、エリオは改めて、あのモンディアル夫妻の「養子」となったのでした。
その翌月には、実際に、モンディアル夫妻は仲良く同じ日にこの世を去りました。
そして、老執事が「複雑な書類手続き」をすべて一人で済ませた後、7月には、エリオは21歳にして、実際に「莫大な額の遺産」を単独で相続したのです。
相続税などで半分以上はゼナドリィの当局へ持っていかれましたが、それらをすべて差し引いても、実際の相続額は「一般サラリーマンの生涯賃金」の一千倍以上でした。
(日本の感覚で言ったら、ざっと数千億円、といったところでしょうか?)
【なお、エリオは思うところあって、普段づかいの通帳とは別に「ミッドでの通帳」を作り、遺産はすべて、ミッドの通貨に換金してそちらに振り込んでおいてもらいました。(←重要)】
なお、その際に、老執事は再びスプールスに来て、書類の確認手続きなどをすべて終えてから、最後の別れ際にエリオにこう言い残して行きました。
『今から、秘密の話をいたします。これは、旦那様と奥様が生きていらっしゃった時には、決して口にすることのできなかった話です。私は独り、墓の中まで持って行こうかとも思っておりましたが、お二人に先立たれてしまった今、あなたにだけはお伝えしておきましょう。
オリジナルのエリオ様は、通常の病気で死んだのではありません。クローンを売り込むために、意図的に病気に見せかけて殺されたのです。
エリオ様を殺して「あなた」を製造した犯罪組織の名は〈永遠の夜明け〉と言います。旦那様や奥様には秘密にして、私が独自に調べ上げました。
もしも、この先、あなたが管理局員としてその組織と対峙することがあったら、どうかオリジナルのエリオ様の仇を取ってあげてください』
老執事は珍しく感情を込めて語っていましたが、それでも、エリオは冷静にこう返しました。
「正直に言うと、ボクの側には、彼のためにそこまでしてあげなければならないほどの義理は無いんだけどね。まあ、一応、話としては聞いておくよ」
それでも、老執事はエリオに深々と一礼して去って行きます。
その後、エリオが彼の姿を見ることは二度とありませんでした。
【なお、実際に、その組織を完全に
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ