【プロローグ】新暦65年から94年までの出来事。
【第8章】なのはとフェイト、復職後の一連の流れ。
【第1節】新暦86年の出来事。(前編)
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ルザム人ばかりの、昔ながらの『尚武の国』で、今も男性優先主義がまかり通っており、芸能関係などは、昔のヴェトルーザと比べても大差が無いような状況だと聞いています。
しかし、クレモナ系移民ばかりの第三大陸では、一転してその方面が不道徳なまでに発展を遂げているのだそうですよ。……私も個々のアーティストの名前は〈オルヴァとジャーディカ〉ぐらいしか解りませんが……ともかく、あの大陸で名を上げたのなら、凱旋して来た連中の実力も確かなモノなのでしょう」
「ところで、話は変わりますが、首都次元港の脇に、ひとつ良い店がありましてね。こちらの標準時で7時からの予約を入れてありますから、補佐官のお二人も御一緒に、そちらで朝食を取りませんか? 船内での食事ばかりでは味気ないでしょう」
「そうですね。では、折角ですから、そうさせていただきましょうか」
そんな会話の後、〈バゼムラート〉は亜空間から通常空間に降りて、ヴェトルーザの周回軌道に入ったのですが、現地の地上本部と回線を開くなり、〈バゼムラート〉は唐突に「緊急支援要請」を受信しました。
なんと、『あの〈ディファイラー〉が、首都圏に出現した』と言うのです。
この世界の首都圏は、本局標準時との時差が実に10時間。現地時間は、もう17時に近くなっており、ぼやぼやしていると、すぐに日が暮れてしまいます。
封印作業は、夜になったら格段に面倒なものになってしまうので……そして、いくら夏至が近いとは言っても、緯度からして現地は20時にはもう真っ暗になるはずなので……時間的な猶予は、最大でもあと3時間ほどしかありません。
そこで、フェイト執務官は提督からの要請に基づき、アインハルト補佐官(19歳)とともに転送で急ぎ現場(首都ザハロームの旧市街)に降り、そこで〈ディファイラー〉に取り憑かれた人々に遭遇しました。
すでに、相当な人数となっています。
《現実には朝食前なんだけど、どうやら地球の慣用句で言う『朝飯前』とは、いかないみたいね。》
フェイトやアインハルトほどの実力をもってしても、これは苦しい戦いになりそうでした。
一方、セディール提督は、『これは、さすがに手が足りない』と考え、即座に〈本局〉へ増援を要請していました。
(もちろん、予約していた店の方には、やむを得ず、キャンセルの連絡を入れます。)
しかし、生半可な魔導師では、ただ徒に「ディファイラーの餌」にされてしまうだけです。「自身の内なる闇」とも「心静かに」向き合うことができる強靭な精神力の持ち主でなければ、〈ディファイラー〉の精神寄生をはねのけることはできません。
そこで、30分ほど経って、〈本局〉からよ
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