【プロローグ】新暦65年から94年までの出来事。
【第8章】なのはとフェイト、復職後の一連の流れ。
【第1節】新暦86年の出来事。(前編)
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で、周囲に充分な数の人間さえいれば、たとえ最初はほんの数個でも180日(6日で倍増 × 30回)で「理論上は」数十億個にまで増えてしまうのです。)
しかも、『大半の者は適合せずに、ただその場で死んでしまうだけ』というエクリプスウイルスとは違って、〈ディファイラー〉は対象を選ばず、誰にでも簡単に「精神寄生」をしてしまうのですから、ある意味では、これは『エクリプスウイルスよりも、さらに性質が悪いロストロギアだ』と言って良いでしょう。
(ディファイラーは、「先史バログドゥ文明」の負の遺産で、それ故、カリムにも予見することはできなかったのです。)
【実際、新暦38年には、〈管40グザンジェス〉で第三大陸が丸ごと滅び去りました。
その際、管理局は相当の戦力を割いて大陸各地の〈ディファイラー〉を封印して回り、それらを破壊して、最後に残った「次元航行すら可能な巨大融合体」をも〈アルカンシェル〉を使い、莫大な犠牲を払って完全に虚数空間へと消し飛ばしたはずだったのですが……この新たな〈ディファイラー〉たちは一体どこから来たのでしょうか?】
その時、フェイト執務官(30歳)は二人の補佐官とともに、主要な管理世界を巡る「通常の巡回任務」に就いていたセディール・ブロスカン提督(39歳)の御座艦〈バゼムラート〉に同乗していました。
『本局を出て、まず東側のルーフェンとセクターティとデヴォルザムを巡り、無人世界経由で少し南下してから、かつての「四世界同盟」を東から順に、ハドマンド、ヴェトルーザ、ゲルドラング、ザウクァロスの順で巡り、また少しだけ北上してから、今度は西から順に、パルドネア、モザヴァディーメ、シガルディスを経て、最後はミッドチルダ経由でまた本局に戻って来る』という、主要な22個の管理世界のうちの半数を一度に巡る予定の航海です。
(次元航行部隊では、俗に「東南方面、小回り」と呼ばれている、まったく「お定まり」の巡回コースです。)
それは、何事も無ければ一月たらずで済む程度の、ごく単純な任務のはずでした。
セディールは、まだ一昨年に昇進したばかりの「新人提督」ですが、一介の艦長だった頃から、クロノ提督の許で相当な実績を積んで来た人物です。今では、クロノ(35歳)にとっても「頼りになる友人」といったところでした。
そのため、フェイト執務官とセディール提督は、仕事の上では今回が「初顔合わせ」だったのですが、以前からクロノを介して『お噂はかねがね』という間柄です。
〈本局〉を出航してからおよそ十日後、当初の予定どおりに〈管22ハドマンド〉を後にした頃には、二人はまるで旧友のように、もう互いにすっかり打ち解けていました。
ハドマンドは昔から何かと問題の多い世界で、一昨年には
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