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神々の塔
第五十話 眠りと死その四

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「十二の星座が黄金の」
「ああ、あの漫画か」
 リーもここまで聞いて頷いた。
「あの偉大な漫画家さんが描いてる」
「そや、あの漫画や」
 中里はその通りだと答えた。
「あの漫画からな」
「ギリシア神話好きになってか」
「自分で調べてな」
「それで詳しいんやな」
「そや、ただな」
 ここで中里はこうも話した。
「日本神話はな」
「自分の国のもんでもか」
「難しくてな」
 どうにもという顔で言うのだった。
「ギリシア神話と比べてな」
「そのことか」
「そやからな」
「詳しくないか」
「調べてもな」
 そうしてもというのだ。
「神様多くて」
「俗に八百万というな」
「実際もっと多いやろ」
 日本の神々はというのだ。
「何でも誰でもな」
「神様になるな」
「それが神道やからな」
 それ故にというのだ。
「もうな」
「詳しくないというか」
「調べる、学ぶことがな」
「難しくてやな」
「しきれてへんわ」
「そうなんか」
「日本人でな」
 そしてとだ、中里は考える顔になって話した。
「しかもこっちの世界やとな」
「要職にあるしな」
「そやからな」
 だからだというのだ。
「学ばなあかんが」
「それでもやな」
「詳しないわ」
「ほな」
 ここで綾乃が言ってきた。
「うちが」
「綾乃ちゃんがか」
「教えさせてもらうで」
 笑顔での申し出だった。
「やっぱり日本神話やと」
「綾乃ちゃんは詳しいな」
「巫女で神々にお仕えしてて」
 この職業だからだというのだ。
「それで日本の棟梁やから」
「尚更やな」
「詳しいで」
 こう言うのだった。
「うちは」
「それでやな」76
「詳しいで」
「そやな、ほなな」
「こっちの世界でな」
「時間のある時にやな」
「教えさせてもらうで。ただ」
 綾乃は笑ってこうも言った。
「うちもまだまだ」
「詳しくないか」
「そう思ってるわ」
 自分ではというのだ。
「どうにも」
「そやねんな」
「難しいのは事実やさかい」
 日本神話はというのだ。
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