第百十話 下着の素材その六
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「ソ連の人達驚いたらしいのよ」
「干している下着が多いから」
「それでね」
まさにその為にというのだ。
「スラム街の人でもね」
「アメリカはあんなに沢山下着を持ってるって」
「貧しい筈なのに」
それがというのだ。
「自分達よりずっとね」
「下着を持っている」
「それだけ豊かなのかって」
「驚いたの」
「それに気付いて政府の方もね」
その彼等もというのだ。
「映画の上映中止したらしいわ」
「そんなことあったのね」
「そうなの」
「面白いお話ね」
「下着が多いと」
持っているそれがというのだ。
「考えてみればそれだけね」
「生活に余裕があるわね」
「バナナ以外何でもあるって」
その様にというのだ。
「ソ連について言った人いるけれど」
「下着は少なかったの」
「もっと言えば他のものもね」
こう一華に話した。
「あそこはね」
「なかったのね」
「それで下着もで」
留奈はさらに話した。
「その質もね」
「よくなかったのね」
「そうだったのよ」
「成程ね」
「ソ連って色々よく言う人いたけれど」
日本の進歩的知識人や彼等が支持する左翼政党がだ、それこそアメリカを超えるだの豊かだの日本より自由だのと言っていた。
「実際はね」
「そんな風だったのね」
「ロシアから来た子もね」
そのソ連の後継国家である。
「ソ連自体は超大国でも」
「暮らしについては」
「もうその頃知ってる人はね」
「結構なお歳ね」
「最低でも三十代だからね」
そうした年齢だというのだ。
「先生とか職員さんね」
「そうした人達からお話聞いた?」
「ないわ」
そうしたことはというのだ。
「考えてみたら」
「バルト三国とかウクライナの人は滅茶苦茶悪く言うわよ」
留奈はこのことは断った。
「酷いことされたから」
「どの国もね」
「併合されたりね」
バルト三国は元々独立国だったがスターリンによってそうされた、言うまでもなく侵略行為である。
「そうされたから」
「嫌ってて」
「そう言うけれど」
「ロシアの人達も」
「生活はね」
「よくなかったのね」
「私も聞いてないけれど」
ロシアから学園に来ている人達からというのだ。
「けれどね」
「それでもなのね」
「そうした風でね」
「下着についても」
「それでね」
そのうえでというのだ。
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