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ハッピークローバー
第百十話 下着の素材その五

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「それだけでよ」
「幸せね」
「そうなのよ」
 こう言うのだった。
「これがね」
「そうなのね」
 部活の前にこうした話をしてだった。
 そのうえで部活に出た、そして汗を流し家に帰ると夕食を食べて風呂に入ったがその後で留奈にこのことを話すと。
 留奈は一華にだ、こう返した。
「確かにそうね」
「あんたもそう思うの」
「いや、一回ね」
「一回?」
「昔のソ連のブラとショーツをね」
 それをというのだ。
「親戚が持ってて」
「それ着けてみたの」
「ブラだけね、そうしたらね」
「生地も仕立てもなの」
「悪くてね」
 それでというのだ。
「これは駄目だって思ったのよ」
「そんなことあったの」
「デザインもね」
 これもというのだ。
「三十年以上前のこと抜いても」
「悪かったの」
「ださいっていうか」
「そんな風だったの」
「ええ、それでね」
「生地とか仕立てが」
「悪かったのよ」
「そうだったの」
「それでブラ洗って」
 着けたそれをというのだ。
「返したけれど」
「そんなことあったのね」
「本当にね」
 実際にというのだ。
「日本で売ってる下着はね」
「いいのね」
「ええ、それにね」
 留奈はこうも言った。
「毎日漬けられる?」
「下着を?」
「そう、一華出来る?」
「毎日替えないと駄目でしょ」
 一華はすぐに答えた。
「それで洗濯しないと」
「それがソ連だとね」
 この国ならというのだ。
「毎日着替えて洗濯しても」
「どうたったの?」
「あまり持てなかったらしいのよ」
 その数の話をするのだった。
「これがね」
「そうなの」
「私達普通に十着以上は持ってるでしょ」
「ブラもショーツもね」
「それがね」 
「ソ連だと少なかったの」
「国自体があまり豊かでなくて」
 実は国力はアメリカよりかなり落ちていて経済力は日本や西ドイツよりも低かったのだ。これがソ連の実態であったのだ。
「それでね」
「そうだったの」
「映画でアメリカの真の姿ってことで」
 プロパガンダであることは言うまでもない。
「スラム街出したら」
「ニューヨークとかにある」
「下着干してあったけれど」
 スラム街の中にだ。
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