第百十話 下着の素材その四
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「まずはね」
「食べないと駄目でしょ」
「ええ」
ケニアの娘にそれはと答えた。
「もうね」
「服とお家はね」
衣食住のうちの衣と住はというのだ。
「なくてもね」
「まだ生きられても」
「食べられないとね」
「生きられないわね」
「それで服はなくてもって言ったでしょ」
「それが答えね」
「着られれば」
それでというのだ。
「もうそれでね」
「いいのね」
「しかも下着なくても」
今話しているそれがだ。
「大事な部分だけ着ていれば」
「それでよしね」
「そうだから」
「下着はもういい」
「着ても一着だけの」
「着たきりね」
「そうなることもね」
「そうした状態だとあるのね」
「そうだからね」
一華にさらに話した。
「下着は酷いわよ」
「あっても」
「そうなのよ」
まさにというのだ。
「これがね」
「ううん、それで北朝鮮も」
「内戦にはなってないけれど」
それでもというのだ。
「あの有様だから」
「下着悪いのね」
「食べものすらないことはね」
そうした状況であることはというのだ。
「極限状況で」
「他のものもないってことね」
「だから服すらね」
これもというのだ。
「まともじゃなくて」
「下着もなのね」
「絶対そうだから、ただね」
ケニアの娘はこうも言った。
「諸郡様だけはね」
「ああ、あの人はね」
「違うわ」
「服もいいのね」
「だってご馳走食べ放題で」
国民北朝鮮で言う人民である。共産主義ということになっている国であるので人民と表現するのである。
「宮殿に住んで」
「そんな暮らしだと」
「もう服なんてね」
「幾らでも贅沢に出来るわね」
「そしてね」
そのうえでというのだ。
「下着だってよ」
「贅沢ね」
「間違いなくね」
「余計にふざけてるわね」
一華はここまで聞いてあらためて思った。
「あの国は」
「世界の誰もが思うことよね」
「そうよね、しかし日本の下着はよくて」
「いい下着を着られるならね」
そうであるならというのだ。
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