十二話
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ミルテとアインハルトさんの試合が開始して、数分。戦局がひっくり返ろうとしていた
「“重ノ型”。あれを使われた時は流石に負けたよね」
≪はい。あの型には些かチートくさい技がありますからね≫
僕達がまだ初等科の頃、僕、ミルテ、アスはいつも模擬戦をして、鍛えあってたんだ。大体の戦勝率は僕がトップで二人に勝ち越してた
アスには隙をつかれて、何度か負けた事はあるけど、ミルテには完全な勝ち越しだったね
「でも、ミルテが唯一僕に勝った時に使ったのが、あの“重ノ型”だ」
あの時は驚いたなー。何て言ったって、逃げ道が何処にもないんだから……
「あの頃はあの技の仕組みすら理解できなかったけど、今ならちゃんとわかる。でも、鋭い洞察力を持ったアインハルトさんをどこまで混乱させられるかな?」
≪すぐに破られるような気もしますけどね≫
ロンドは何気酷いよね
ミルテside
「久々だね。これを使うのは……」
≪はい。一年最後の試合って事もあって、残留魔力も相当あります。いつも以上の威力が出るかも知れませんよ。レディ≫
それならそれで大いに結構だよ!
「私は今出来る全力の力でアインハルトさんに勝ちに行く!ただそれだけだよ!」
気を足に集中させ、地面を蹴る。そして、一瞬でアインハルトさんの後ろを取る
「ッ!?」
すぐに気付いたのか、前を向いたまま左手で受け止め、それを軸に回転し、反撃に繋いで来る
「それは予想済み!」
槍をそのままに、体だけしゃがんで避け、さっき同様の歩法で後ろに下がり、距離を取る
「さっきのはなんですか…?(まるで気配を感じませんでした。しかもあの間合いを一瞬で詰めて来るなんて……)」
「“縮地”って言われる歩法って私は聞いたかな。元々はクロムくんがよく使う歩法で、いろんな戦術に応用が出来るから、覚えておいても損はないって言われて覚えたんだよね」
でも、普通に反応してきたから驚いたよー。アインハルトさんは雷の変換資質でもあるのかな?
縮地は本来、気配も悟らせないのが完璧な形だから、私のはまだまだって事かな。いや、前のクロムくんみたいに完全に気配すら感じさせずに移動するのは普通は無理なような気がしてならないよ
「なるほど――――」
アインハルトさんが少し腰を落としたかと思ったら、
「こう言う事ですか」
自分の背後からアインハルトさんの声が聞こえた
「えっ!?」
そのまま顔に一撃、重いのをもらってしまう。空中で体勢を立て直し、少し距離を取ったところに着地する……
「はぁ……はぁ……」
おかしいよっ。私が半年かかった縮地をまだ荒いけど、たった一回見ただけであそこまで出来るなんて……!?
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