第二章
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「私は戦に挑んだり正義を行う時にだ」
「これから戦に向かいますし」
「まさにその時ですね」
「しかも相手は王に歯向かう賊です」
「民を襲う」
「そうした時はだ」
エニシダの花を一つ手に取ってだった。
それを自身の兜に飾ってだ、兵達に強い声で言った。
「この神の奇跡、素晴らしきエニシダの花を身に着けよう」
「そうですか、それではです」
「我等もです」
「此花を飾ります」
「エニシダの花を」
「そうします」
「そして戦いに勝ち正義を行うぞ」
これ以上はない確かな声で言ってだった。
伯爵は兵達と共に戦場に赴いた、そして戦うその時に兵達に対して強い声でこの言葉を出したのだった。
「エニシダに誓うぞ!」
「はい、戦に勝ちましょう!」
「正義を行いましょう!」
「この花に誓ってだ!」
兜のその花にも触れてだった。
伯爵は言ってそうしてだった。
戦いに入った、そして戦に勝ったのだった。
伯爵は戦場で無類の強さを発揮しかつ正義を行う人として知られる間になった、すると人は何時しか彼をこう呼ぶ様になった。
「エニシダの花をいつも身に着けておられる」
「そして戦いに勝ち正義を行われる」
「エニシダの方だな」
「エニシダの花を挿されているから小枝だな」
「そうだな、エニシダの小枝だ」
「プランタ=ゲニスタだ」
こう呼ぶ様になった、そして。
この言葉がだった。
「縮まってか」
「はい、今ではです」
「アンジュー伯爵家ではなくです」
「プランタジネット家と呼ぶ者が多いです」
「エニシダの小枝と」
「その様に」
伯爵家の者達は伯爵に話した。
「そう呼ぶ様になっています」
「今では」
「そうした者が多いです」
「面白い、確かに私はエニシダに誓った」
伯爵は周りの話を聞いて笑って応えた。
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