第一章
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生贄がなった木
アステカでは生贄の習慣があった。
それは神々に祭事の時に捧げるだけでなく何かとそれを捧げていたが。
ここにあるアマトランという国の王子の一人、トクテランは黄金や宝石が好きだった、太い眉に四角い顔に赤い顔と分厚い唇を持つ大柄な青年である。
彼は黄金や宝石を集めてだ、国庫に入れていつも言っていた。
「こうしたものはあって困らない」
「左様ですね」
「あればあるだけ使えます」
「何かと」
「国を潤す源です」
「どうしても必要なものです」
「だから盛大に鉱山で掘ってだ」
そうしてというのだ。
「商いもな」
「民にさせていますね」
「そうしていますね」
「常に」
「そうだ、国を富ましてだ」
そうしてというのだ。
「そのうえでな」
「黄金や宝玉を集め」
「用いるべき時に用いる」
「そうしますね」
「そうする、そしてだ」
王子はさらに言った。
「そういったものを国庫それに国を護ってくれる神々に見てもらう時にはだ」
「はい、やはりです」
「生贄は欠かせません」
「何があっても」
「生贄こそ何よりも必要だ」
王子はこの国の考えを述べた。
「黄金や宝玉を国庫に入れてだ」
「神々にも見てもらう」
「その時に神々に捧げものが必要ですが」
「それこそがですね」
「生贄ですね」
「そうでなければだ」
生贄がなければというのだ。
「やはりな」
「どうにもなりません」
「神々も喜んでくれません」
「絶対に」
「だからだ」
それ故にというのだ。
「いいな」
「はい、それでは」
「これからもですね」
「黄金や宝玉を国庫に入れる時は」
「生贄を捧げますね」
「奴隷を一人な、そしてだ」
王子は周りに言った。
「奴隷を生贄に捧げたならな」
「穴を掘り」
「そして生贄の骸を入れますね」
「そうしますね」
「そうするのだ、あの者達も神々に命を捧げられて本望だろう」
アステカの考えで以て言うのだった。
「だからな」
「丁重に葬りますね」
「捧げた後は」
「そうしますね」
「穴を掘って埋めてやってだ」
生贄に捧げた奴隷達はというのだ。
「弔ってやるのだ、いいな」
「わかりました」
「これからもそうしましょう」
「黄金や宝玉を集め」
「国庫に入れ神々にそれをさせてくれて出来たことを感謝して」
「生贄を捧げ」
「弔いましょう」
周りも頷いてだった。
彼等は黄金や宝玉を掘って交易や商売で手に入れてそのうえで国庫に入れて神に喜びを言ってだった。
神々への感謝を表す生贄を捧げていった、生贄は一人また一人と捧げられていき穴に埋められ葬られていたが。
その葬られた跡からだった。
「木が生えて
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