九話
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かる?あんな少しでも力を入れたら折れてしまいそうな、脆そうな体に……?
出来るわけありません。下手したら彼女は……
無責任ですよ。クロムさん。通り魔の紛いことをしていた私の前に立ちふさがり、私を地に伏さした貴方なら……
――――私の拳を受け止めてくれた貴方なら、わかってくれると思っていたのに――――
「わかりません。貴方が言った言葉の意味が全然わかりませんよ……。クロムさん」
その私の言葉に答えるものはなく、夕焼けの空に溶けていった……
クロムside
それから数日経ち、週末。高町ちゃんとアインハルトさんの再戦の日
僕はゆっくりとノーヴェさんに言われた場所に向かっていた
≪開始十分前ですね。少し急ぎますか?≫
「大丈夫だよ。遅れてもいいように、ノーヴェさんにスフィア飛ばしてもらってるから」
モニターを表示すると既に高町ちゃんとアインハルトさんが揃っていた
「廃倉庫のみたいだね」
≪そのようです≫
モニターの方で動きがあった
「ここな、救助隊の訓練でも使わせてもらってる場所なんだ。廃倉庫だし、許可も取ってあるから、安心して全力出していいぞ」
流石に公民館の共通練習場ではどこか壊してしまう可能性があるからね
「うん。最初から全力で行くつもり」
高町ちゃんの目。やっぱり本気だね。覇気すら感じさせる。そんな目だね
「セイグリッド・ハート。セット・アップ!」
光が高町ちゃんを包む。そして光が晴れた時、長い金髪をサイドテールで縛った女性の姿があった……
≪何度見ても見事な変身魔法ですね≫
「そうだね」
「――――武装形態」
その短い言葉と共に光に包まれるアインハルトさん。光が晴れると、あの夜の時と同じ姿をしていた
≪デバイスなしでの魔法式。あれも覇王流の一種でしょうか?≫
「かもね」
ホントにそうだったら覇王流って結構万能って感じだよね
「今回も魔法はナシの格闘オンリー。五分間一本勝負」
五分間かー。今の場所から行くと終了ギリギリってところかな
「それじゃあ試合――――」
二人が構える……
「開始!!」
二人の本気の勝負が今、開始された……
アインハルトside
綺麗な構え……油断も甘さもない
いい師匠や仲間に囲まれて
この子は格闘技を楽しんでる
私とはきっと何か違うし、覇王の拳を向けていい相手じゃない
これが私の答えです。クロムさん
ヴィヴィオside
すごい威圧感。一体どれくらいどんな風に鍛えてきたんだろう
勝てるなんて思わない
だけど、だからこそ一撃ずつで伝えなきゃ
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