第二章
[8]前話
上の殻は天空になり下の殻は大地になった、そして空には鳥が飛び交い大地には人間をはじめとして多くの生きものが出て来た。それだけでなく。
「気付けば海もな」
「うん、色々とね」
「生きものが出て来てるわね」
蝸牛と蚯蚓は全てが終わってから蜘蛛に言った。
「そうなっているわね」
「何処も僕達以外の生きもので一杯になっているね」
「いいことだ、しかし」
蜘蛛はこうも言った。
「わし等のやることはこれで終わりか」
「殻を持ち上げて」
「それでお空と大地を作って」
「まだ何かないか」
蜘蛛は二匹に言った。
「わし等に出来ることは」
「それは何かな」
「一体ね」
「果たして」
三匹でまた話した、その中で。
ふとだ、蜘蛛は空を見上げてだった。
そこに何もないのを見てだ、こう言った。
「昼と夜を照らすものがないな」
「あっ、そうだね」
「言われてみれば」
「わし等はそれになろう」
蝸牛と蚯蚓に話した。
「これよりな」
「それがいいね」
「では何なろうかしら」
「わしは太陽になる」
蜘蛛はまず自分が言った。
「そしてだ」
「昼を照らす」
「そうするんだね」
「そうする」
「じゃあ僕は月になるよ」
今度は蝸牛が言った。
「夜を照らすね」
「それになるか」
「そうなるのね」
「うん、そうなるよ」
「なら私は天の川になるわ」
蚯蚓はそれになると言った。
「そうなるわ」
「星か」
「それになるんだ」
「ええ、月だけじゃ足りないから」
夜の灯かりはというのだ。
「だからね」
「天の川になり」
「そして照らすんだ」
「そうするわ、じゃあそれぞれね」
蚯蚓は共にこれまで働いて来た蜘蛛と蝸牛に言った。
「そうなって世の中を照らしましょう」
「わし等が作った世界を」
「そうしようね」
「今度はね」
こう話してだった。
三匹はそれぞれ太陽、月、天の川になった。そうして世を照らしたのだった。
ミクロネシアに伝わる話である、この話は細部が違うものもあるがここではこの展開を紹介させてもらった。蜘蛛は太陽蝸牛は月蚯蚓は天の川である。そうなったことが実に面白く紹介させて頂いた。一人でも多くの人が読んで頂いたなら幸いである。
語り合って 完
2023・9・14
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