第三部 1979年
孤独な戦い
威力偵察 その1
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太陽系最大の惑星、木星。
その星は大きさが地球の11倍、質量が地球の320倍ある巨大ガス惑星である。
主に水素やヘリウムで構成されており、絶え間なくジェット気流によって大気が揺れ動いている。
また、非常に強い磁場を持っているため、北極や南極の周辺でオーロラが発生する。
現在、木星には92個の衛星が存在し、その数は土星の146個に次いで多い。
とくに大きい四つの衛星、イオ、エウロパ、ガニメデ、カリストを指して、ガリレオ衛星と称する。
これは、1610年に、科学者・ガリレオ・ガリレイが発見したためである。
まず最大の衛星・ガニメデは、直径5260キロメートル。
これは水星よりも大きく、また表面は氷に覆われていて、内部に海を有すると想像されている。
次に氷の衛星・エウロパ。
ガニメデと同様に氷天体と呼ばれ、氷で覆われた衛星である。
そして、火の衛星・イオ。
木星に最も近い天体で、絶えず木星からの潮汐力(強い重力)によって影響を受けている。
その潮汐力によって、天体内部が溶け、活発な火山活動が起きているとされる。
2016年から運用中の木星探査機「ジュノー」では、赤外線カメラによって、赤く光っているのが確認できるほどであった。
マサキは、グレートゼオライマーの実験場として、このガリレオ衛星を破壊することにした。
木星本体は強力な磁場から、恐らく着陸ユニットは到達できていないであろう。
そして、衛星イオは活発な火山活動の為、ハイヴ建設には向かない。
そうすると、エウロパ、ガニメデ、カリスト。
この三つの衛星に、BETAの前線基地があるはずだ。
BETAに感づかれずに、その惑星を壊す方法はないか……
それはグレートゼオライマーの新しい必殺技である、烈・メイオウ攻撃を浴びせるしかないのではなかろうか。
そういう結論に達した。
さて、マサキといえば。
彼は、朝五時というのに各務原にある岐阜基地の格納庫に佇んでいた。
ゼオライマーを駐機させておく格納庫は、全長200メートルを超える巨大なものであった。
全高70メートル、幅95メートルで、箱型の形状をしており、観音開きの大戸が備えてあった。
これは飛行船の格納庫を流用したものである。
飛行船は、第一次大戦から第二次大戦前までの戦間期の航空偵察の主力であった。
その巨大な倉庫には、二体の巨人の姿があった。
それは、まるで寺院の山門の左右に安置した金剛力士像の様に格納庫の左右に自立していた。
マサキは、二体のスーパーロボットの姿を、感慨深げに眺めていた。
右手には、愛用のタバコ「ホープ」を、左手でコーラの瓶を、それぞれ持ちながら。
グレートゼオライマーの姿にウットリしながら、コーラで唇を濡らす。
完成
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