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神々の塔
第四十九話 悪魔が教えることその九

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「いいな」
「匂いをですね」
「消すのだ、それから戦おう」
「ほな。しかしエチケットはですか」
「法と人道は大事にしてな」
 そのうえでというのだ。
「そちらも守ることだ」
「そうせなあきませんね」
「そうだ」
 まさにというのだ。
「ではいいな」
「香水使います」
「私は薔薇の香水が好きだが他のものでも構わない」 
 神霊はこうも言った。
「納豆の匂い以外ならな」
「あの、エチケットとか人の道とか法とか」
 綾乃はシトリのその言葉から言った。
「悪とか腐敗とか堕落とか」
「そんなものは我々は求めていない」
「法とかをですね」
「正義に清潔に健全もな」
「求めますか」
「我等もな」
 魔王、そして悪魔達もというのだ。
「そうしている」
「そうですね」
「天使達とは仲が悪いが」
 このことは事実でもというのだ。
「それでもな」
「そうしたものはですね」
「求めていっている、そのこともいいな」
「はい、やっぱりそうですね」
「悪魔だから悪ではないことはな」 
 何と言ってもというのだ。
「理解してもらわないと困る」
「悪魔もまた正義ですね」
「悪魔は何か」
 シトリは言った。
「何故悪か」
「神様に逆らうからって言う人いますね」
「天使達も流石にそうは言わないがな」
 自分達と対立している彼等もというのだ、属性においても悪魔は闇天使は光でこちらでも相反している。
「これは正義は唯一で絶対のものと考えないとだ」
「成り立たへんですね」
「神は正義だ」 
 魔王もこのことは認めた。
「だが正義は一つではなくな」
「絶対やないですね」
「そうなのだ、善悪ではなく」
「善と善ですね」
「悪と悪の場合もある」
 時にはというのだ。
「そうしたこともだ」
「わかっておくことですね」
「そなた達はな、私にしてみれば納豆は悪だ」
 またこの食べものの話をした。
「あの様なものを食べろと言われるとな」
「悪ですか」
「そうだ、臭いしまずい」
 シトリにしてみればだ。
「腐った豆ではないか」
「発酵させてるからヨーグルトと同じなんですけど」
 芥川がこのことを指摘した。
「実は」
「ヨーグルトとは全く違う」
「いや、発酵させてるね」
「ヨーグルトは乳から作りだ」 
 シトリはその違いのことを話した。
「臭くないし美味い」
「そやからええんですか」
「そうだ、だが納豆はだ」
「匂いがきつうて」
「そしてまずいからな」
 だからだというのだ。
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