第三百二十八話 時間を操る力その十四
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「避けたいです」
「だからですね」
「州の外にはですね」
「勢力圏拡大は慎重に」
「そうお考えですね」
「そうです、まずは州の統一です」
こう言ってアイオワ州の外の街や村には声をかけなかった、そうしてそのうえで州の統一を進めていったが。
最後の村の降る条件を聞いてだ、ミッチェルはその村長に言った。
「近くの山にいるレッドドラゴンをですね」
「退治してくれましたら」
そうすればというのだ。
「喜んで、皆怖がっています」
「近くにドラゴンがいますと」
「はい、あんなものがいては」
「ドラゴンは強いですからね」
「あの、ドラゴンといいますと」
茶色の毛の老人の兎人の村長は困った顔で話した。
「数は少ないですね」
「はい、非常に」
ミッチェルもそれはと答えた。
「種としての個体数は極めてです」
「少ないですね」
「この世界の生態系の頂点にあるので」
獣やモンスターのそれのというのだ。
「非常にです、しかも普通は人里から離れた場所にです」
「棲みますね」
「村の近くに棲むなぞ」
「今のところ被害は出ていないですが」
「何時出るかわからないですね」
「この村にいる一番強い者でレベル二十のハンターです」
「それなりの強さではありますね」
「元冒険者の。バーバリアンで」
「私です」
そのハンターも出てきた。
「今は猟師と畑仕事で生きています」
「そうですか」
「しかしドラゴン相手は」
「出来へんですね」
「とても」
「それでそのドラゴンを何とかしたら」
ミッチェルは村長に尋ねた。
「降ってくれますか」
「喜んで」
「わかりました、ほな行ってきます」
ドラゴンのいる山にというのだ、こう言って実際にだった。
ミッチェルは一人で山に入った、そして出て来た獣やモンスター達を退けそのうえで山の頂上にいるドラゴンの前に来ると。
ドラゴンは苦い顔でだ、ミッチェルに言った。
「戦う気はないぞ」
「そうなの?」
「わしは動けん、あとわしはベジタリアンだ」
「そういえばドラゴンって何でも食べられるわね」
「肉や魚だけでなくな」
「お野菜やお魚も」
「肉や魚は好きでない、あと気も吸収出来る」
そちらから栄養を摂ることも可能だというのだ。
「好物は牛乳だ」
「だから人は襲わないのね」
「実はアマゾンに移住するつもりがな」
アマゾンそれにサハラ砂漠がこの世界のドラゴン達が多く生息している地域である、他には地下世界でも結構見られる。
「体調を崩してな」
「休んでいるのね」
「胃腸が悪くてな」
「ドラゴンも生きものだからね」
「体調を壊す時もある」
「そうよね」
「だから休んでいるだけだ」
こうミッチェルに話した。
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