一話
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僕、クロム・エーレンが夢も希望も失ったのは二年前…。
インターミドルの都市本戦が終わって次の週だったかな?都市本戦で六位の入賞を果たした僕は父さんと母さんと一緒に毎年恒例の反省会を含めた修行旅行に出かけてたんだ。
いつも通りに何でその順位止まりだったのか、何故負けたのかを試合映像を穴が開くほど見て、その原因を三人で出していき、原因がわかったら、その対策を基本に修行のメニューを組み立てる。
そして、そのメニューを旅行中に父さんと朝夜問わずに熟していく
修行が終われば、普通の旅行を楽しむ。そんなものだった…。
でも、悲劇は起こってしまった…。
交通事故だった。旅行を終えて、家に帰る為に高速に乗っていた時、二トントラックの居眠り運転に正面から突っ込まれたんだって…
なんで聞いたみたいな言い方なのって?僕は疲れて寝ちゃってたみたいだから…。寝てる間に事故にあって、目が覚めたら、父さんと母さんは帰らぬ人となって、僕は一命は取り止めたけど、その代償として両足の完全に動かなくなった。神経は無事だし、脊髄や脳の方も異常なし。原因不明でお手上げ話だそうだよ…
二年前のあの日から、僕の家族は実質ロンドだけになった…。
「ねぇロンド」
≪どうしました?≫
「そろそろじゃないかな?今年の予選」
予選はもちろん、インターミドルのだよ
≪……今年は出られるのですか?≫
「ロンドは気が進まない?」
≪正直、進みません…≫
まぁ仕方ないよね…。父さん達が死んだ直後は相当鬱になってたし…
≪それに、その足ではいつも通りに私を使えません≫
「まぁ…僕も正直迷ってる。父さんたちが死んで、あれからはロンドを起動させてないし、鍛練だ
ってやってないからね」
それに、多分インターミドルの舞台に立ったら、またあの時の感覚が戻って来ちゃうから…
「だから、無理だと思うよ」
≪そう…ですか…≫
でも、ロンドはなんだかんだ言っても、僕に出て欲しいんだよね…。ゴメンね…
学校の近くまで来たらしく、登校している生徒もちらほらと見える。
「その話は放課後にでもしよう。放課後は図書館だから、大丈夫でしょ?」
≪はい。問題ありません≫
学校に付くと待ち受けているのが、車椅子には大変迷惑な段差なんだよね…。
最初の内はこれで何度転んだことか
「ロンド。いつもみたいにお願い」
≪はい≫
浮遊魔法を使って、車椅子を浮かせて、下駄箱の前まで行く。そして
「場所は…」
≪上から二番目、右から三番目の位置ですよ。マスター≫
なんでマスターの僕よりデバイスのロンドの方がわかってるの?
≪マスターの事ならなんでも知ってます≫
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