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第四十九話 合鏡その一

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                第四十九話  合鏡
 神威はこの時天の龍達が集うクランプ学園の敷地内にある洋館にいた、そこで嵐に護刃それに小鳥と共にテーブルに座って話していた。
「今俺達で戦えるのは二人だ」
「私と貴方ね」
 嵐が無表情で答えた。
「そうね」
「そうだ、二人だ」
 神威はその通りだと返した。
「俺達はな」
「そうね」
「対する地の龍は一人だ」
 神威はこのことも話した。
「封真だけだ」
「数は有利ね」
「二人に一人だからな」
「そうね」
「だが。嫌な予感がする」
 神威はここで眉を曇らせて言った。
「近頃怪しい気配を感じる」
「気配、ですか」
「そうだ、時々だがな」
 護刃に答えた。
「どうもな」
「そうなんですか」
「何か禍々しく邪でそれでいて激しい」
「そうした気配ですか」
「それを感じる、それもだ」
 神威はその言葉を続けた。
「俺達の傍にな」
「私達の、ですか」
「感じる」
「そうなんですね」
「俺の気のせいかも知れないがな。だからだ」
 ここまで言って嵐にあらためて話した。
「今の状況でもな」
「最後まで安心出来ないのね」
「ああ、若し俺達に何かあれば」
「私達両方に」
「それでだ」
「地の龍の勝利になるわね」
「しかも封真は強い」
 残る一人の地の龍となった彼はというのだ。
「だからな」
「彼のことも油断出来ないわね」
「そうだ」
 絶対にというのだ。
「だからな」
「この状況でも油断しないで」
「戦おう」
「わかったわ」
 嵐は強い表情になって頷いて答えた。
「それなら、そして次は」
「嵐が行くか」
「そうさせてもらうわ」 
 神威にその表情のまま答えた。
「是非ね」
「それではな」
「そして」
「戦いを終わらせるか」
「そうするわ」
「わかった、なら行ってくれ」
 神威は嵐の意志を尊重して彼女に譲ることにした。
「それならな」
「いいのね、貴方は」
「いや、それで戦いが終わるならいい」
 それならというのだ。
「封真も戻って来るしな」
「私達が勝てば」
「俺と小鳥のところにな」
「私が彼の命を奪うとは」
「嵐はしない、そして封真は簡単に死ぬ奴じゃない」
 二人への信頼を同時に見せて話した。
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