第二章
[8]前話
「これがね」
「まあそうでしょうね」
「けれどね」
それでもとだ、美奈子はにこりと笑って話した。
「私にとっては水晶玉よりもね」
「価値があるのね」
「そうなの、だからこれからもね」
「ビー玉集めていくのね」
「そうするわ」
こう言うのだった。
「これからもね」
「そうなのね、ただね」
「ただ?」
「あんた塾で人気あるでしょ」
菫は美奈子にややジト目になって尋ねた。
「男子生徒に」
「それはね」
美奈子も否定しなかった。
「美人って言ってくれて」
「スタイルいいし特にね」
「特に?」
「ミニスカがね」
いつも身に着けているそれがというのだ。
「男の子を刺激してよ」
「人気あるのね」
「若しもだけれど」
美奈子に話を続けた。
「生徒の子がビー玉プレゼントしてね」
「付き合ってくれって言ってきたら」
「どうするの?」
「いや、それでもね」
どうするかとだ、美奈子はすぐに答えた。
「流石に生徒の子とはね」
「付き合えないわね」
「そうよ、ただ今フリーだから」
相手がいないのでというのだ。
「生徒さんじゃなかったらね」
「いいのね」
「それならね、その時はビー玉をプレゼントしなくても」
それでもというのだ。
「真心があったらね」
「いいのね」
「ええ、それならね」
笑顔で言うのだった、そしてだった。
二人で世間話をした、そうして酒も飲んだ。その時も美奈子はビー玉を見てまた新しいものを買おうと思ったのだった。
ガラクタと言われても 完
2023・12・25
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