氷結の白兎
[2/4]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
み、逆に押し返す炎の魔法陣。炎がある程度吹雪を押し切ったところで、ハルトは魔法陣を走り抜ける。
『ボー ボー ボーボーボー』
再びその深紅のローブを身に付けた、ウィザード フレイムドラゴン。
手に持ったままのウィザーソードガンを振り降ろし、彼女が壁として作り上げた氷を砕く。
だがウィザードはすさかずウィザーソードガンをガンモードに切り替え、大きく腕を振る。
無数に放たれる銀の銃弾は、大きな弧を描きながら、バラバラの方向からゲートキーパーへ向かっていく。
「……っ!」
銀の弾丸の想定外な動きに、ゲートキーパーは目を見開く。
だが彼女は、軽快な身のこなしで銃弾の往来を回避し切る。
「避け切った……」
「終わりか?」
「……挑発したんだから、後悔しないでよ」
ウィザードは、更により一層多くの銃弾を放つ。
まるで銀の壁のように、ゲートキーパーへ迫る銃弾。だが、眉一つ動かさないゲートキーパーの吹雪は、より強く吹き荒れる。
すると、銀の銃弾の勢いがあっという間に凍結していく。雪化粧をした銃弾がポロポロと零れ、さらに今度はこちらの番だと、彼女が手を伸ばす。
すると、吹雪が大きな唸り声を上げながらウィザードへ襲い来る。
『ビッグ プリーズ』
それに対し、ウィザードは使い慣れた指輪を発動。
炎の魔力が混ざった巨大化の魔法。魔法陣を貫通し、燃え上がる手が氷の竜巻を握りつぶす。
「はあっ!」
魔法陣を通じて大きくなった腕が、ゲートキーパーを潰さんと叩き付けられる。
「……っ!」
ゲートキーパーは手を掲げ、氷の柱を作り上げる。それは炎の腕を抑え、やがて押し返していく。
「すごい力……」
元に戻した腕を振りながら、ウィザードは呟く。
手のひらには氷の破片が張り付いており、振り落とすと同時に氷が舞った。
『バインド プリーズ』
続く、拘束の魔法。
地面に数個生成された魔法陣より炎の鎖が発生、それぞれが氷の柱を縛り、地面に突き落とす。
「……!」
ほんの少し、ゲートキーパーの顔が歪む。
さらに、ウィザードはウィザーソードガンの手のオブジェを開く。
『キャモナスラッシュシェイクハンド キャモナスラッシュシェイクハンド』
『フレイム スラッシュストライク』
押し当てられるルビーの指輪。
すると、ウィザーソードガンの刀身に深紅の魔力が宿る。
十字を描く斬撃の軌跡。それは、大きく回転しながら、ゲートキーパーへ向かう。
すると、斬撃は回転しながら、ゲートキーパーの氷の壁を切り崩していく。さらに、その余波は彼女の周囲の氷を溶かし、徐々に冬の木組みの街を春に戻していく。
「……!」
「行くよ……
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ