暁 〜小説投稿サイト〜
魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
AXZ編
第184話:希望に溢れる世界を愛して
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ッ!」
儀式が進んだ事で周辺に大きな変化が起きる。見渡すとあちらこちらでサンジェルマンを包んでいるのと同様の光の柱が立ち上っていた。地上に居る颯人達からでは分からないが、上空から見ればそれは地上に描かれた鏡写しのオリオン座に見えた事だろう。
寧ろ今この周辺で起こっている事に関しては、本部の方が詳しく状況を理解できていた。
『レイラインを通じて、観測地点にエネルギーが集束中ッ!』
『このままでは、門を越えて神の力が顕現しますッ!』
「止めてッ! 駄目よサンジェルマンッ!」
「このままでは、お前の体が、命が……!!」
次々と入って来る危機的状況を知らせる報告に、カリオストロとプレラーティが危険を承知で光の柱に飛び込みサンジェルマンを引っ張り出そうと一歩足を踏み出す。だがその2人の肩を、颯人が掴んで引き留めた。
「ちょい待ち! 焦るにはまだ早いってもんだ、お2人さん」
「放しなさいよッ!?」
「邪魔をするつもりかッ!?」
「そうじゃないって。こっちが何の準備もしてない訳がないっしょ?」
そう言って颯人は2人を宥める。尤も彼も詳細を知っている訳では無かった。だが、この状況で本部が手をこまねいているだけな訳が無いと、その信頼が彼に2人を引き留めると言う選択肢を選ばせていた。
その信頼は正しい形で応えられた。
「合わせろゲンッ!」
「応とも兄貴ッ!」
「決議――」
「「――執行ッ!」」
弦十郎と八紘が同時に別々の場所である装置にキーを挿し込み捻った。それを合図に、各地のレイポイント上に配置された要石が一斉に起動。これにより地上のレイラインは遮断され、儀式は強制的に中断させられた。
以前の魔法少女事変に於いて、徹底的に後手に回らされた経験から彼らも錬金術師のやり方を学んでいた。そしてこのバルベルデでの出来事を発端としたこれまでの事件に於いて、結社はその手の内を見せすぎていたのである。お陰でS.O.N.G.はこうして対策し、備える事が出来た。
モニターで状況の推移を見守っていた八紘は、レイラインが遮断され儀式が中断されていく様を見てこう呟いた。
「――お役所仕事も馬鹿に出来まいッ!」
レイラインが遮断され、儀式が中断された。各地で立ち上っていた光の柱は消滅し、入り込む神の力が無くなったティキは力無く落下し文字通り糸が切れた人形の様にピクリとも動かなくなり、同じく体を浮かせていたサンジェルマンもその白磁の様な肌を冷たい石畳の上に横たえていた。
「ア、アウ、ナイ、ナイ」
「ティキッ!?……ぁ」
地面に倒れた衝撃と先程の儀式で命を燃やしていた疲労からか、サンジェルマンの動きは酷く緩慢であった。その彼女にカリオストロとプレラーティ、そして颯人の3
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